「相撲記事に困るスポーツ各紙を尻目に、日刊ゲンダイ(5月4日付)には4人の親方に取材した『相撲部屋の新型コロナ対策』の記事が出た。春日野部屋、陸奥部屋、尾車部屋、鏡山部屋といずれも八角理事長に近い協会幹部の部屋で知恵をしぼってコロナ対策に励んでいるかを親方自らが解説するという内容。同紙は“貴の乱”の際には貴乃花親方批判に回り、その後も理事長インタビュー掲載を何度もやった媒体だが、“協会はちゃんとやっている”と強調する記事内容だった」(ベテラン記者)
感染拡大防止のため、取材活動などに制限が設けられるのは仕方がないことかもしれない。だからこそ、組織としてどう情報公開をしていくかが重要になる。公益財団法人であればなおのことだ。
相撲は、まわし一丁でぶつかり合い、部屋で共同生活するという特性上、集団感染リスクとは無縁ではいられない。十分な説明のない情報コントロールでいいのか。これまで以上に組織の体質が問われている。
※週刊ポスト2020年5月22・29日号