ライフ

藤原正彦氏 コロナで気づいた「TVはつまらない、本が必要」

『国家の品格』の著者で、作家・数学者の藤原正彦氏

 緊急事態宣言が解かれても、「急に出歩いていいのだろうか」「もし周りに迷惑をかけてしまったら」と不安は尽きない。そんな中、“アクティブシニア”たちは、コロナ後の世界をどう過ごすのか。『国家の品格』著者でもある作家で数学者の藤原正彦氏(76)が語る。

 * * *
 今は部屋にこもり、原稿を書いたり、次に取りかかる作品の資料を読んだりして日々を過ごしています。数学者や作家は一匹狼だから、仕事面ではとくに影響はありません。

 ただ、今回のコロナ騒動によって気づいたことがあります。「テレビはつまらない」ということです。報道番組は国民の不安を煽ることしかせず、バラエティ番組ではコメディアンが自分たちだけでふざけて大笑いしているだけで全く面白くない。観る価値がないと思いました。

 そこで改めて感じたのが、「読書の必要性」です。私は20~40歳の頃までは数学者として数学の本ばかり、その後は作家として書くのに必要な本ばかりを読んできた。本当に読みたい名作や名著は20歳頃までしか読んでこなかったのです。

 そこで、今が“コロナチャンス”だと思い、若い頃から読みたいと思っていながら、最近まで手をつけられなかった本にトライしています。女房は3~4月で、吉川英治の『新・平家物語』全16巻を完読してしまいました。

 決断や覚悟をすることができない日本の政治家や、政治家に“忖度”ばかりしている官僚たちには幻滅していますが、彼らには教養が足りないのではないでしょうか。

 教養がなければ大局観が生まれません。国民全員が読書して自らの教養を高め、大局観をつけることで、“良い政治家”を選ぶことにもつながります。

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン