「コロナ対策で霞が関の総理への視線が明らかに変わった。総理は全国一斉休校を文科省の反対を押し切って法的根拠もなく実施し、クルーズ船への対応でも、厚労省内からおかしいという批判があったが、聞き入れなかった。挙げ句にアベノマスクというアホな政策に466億円。さすがに霞が関の官僚もこのままでは危険だと考えている。
これまではモリカケ問題などスキャンダルに口をつぐんできたが、総理の独断を止めるために過去の不祥事の決定的な証拠が明らかにされる可能性もある」
その霞が関が隠し持つ最大級の“爆弾”が「桜を見る会」の招待者名簿だ。総理や昭恵夫人が、誰を招待したのかの記録がある名簿は表向きシュレッダーで裁断、廃棄され、電子データのバックアップも消去されたことになっている。それが見つかれば大スキャンダルに発展するのは確実だろう。
「招待者名簿は省庁ごとに作成して保管されてきた。総理や昭恵夫人など官邸分の名簿は内閣総務官室の人事課が作成したが、機密指定されていない資料だから、他の役所の職員とも電子データでやり取りされていた。国会で問題化した後も公安などが名簿の一部をもとに内々に反社の出席者の確認に動いていたくらいです。
どの役所も問題の名簿を探し、わが社(役所)の大臣官房は官邸分の名簿データを持っている。ないことになっているだけで、主だった役所は部外秘にして握っていると思う」(有力官庁の人事課職員)
霞が関が“さらば安倍首相”と政権に三行半を突きつける時、そうした爆弾資料が流出する。総理が強いときはいわれるまま“疑惑隠し”に加担しながら、弱ったとみるや裏に回って倒閣に動く。官僚組織が長年受け継いできた“総理使い捨ての論理”こそ、安倍首相にとって最大の脅威なのである。
※週刊ポスト2020年6月12・19日号