スポーツ

最後の猛牛戦士・岩隈も… 近鉄と巨人をつなぐ不思議な縁

近鉄と巨人をつなぐ様々な縁(近鉄時代の岩隈久志。時事通信フォト)

 6月19日、プロ野球の2020年シーズンが開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、3か月遅れたため、今季は120試合が予定されている。今年は2リーグ分裂から70周年という節目の年だ。初年度の1950年はセ・リーグ8球団、パ・リーグ7球団だった。現在も、同じ経営母体の球団はセが巨人、中日、阪神、広島。パは1つも存在していない。

 パ・リーグの中では、近鉄が最も長期間にわたって球団を保持していた。1950年発足の近鉄パールスは、法政大学で指揮を執っていた藤田省三を監督として迎え入れ、関根潤三など六大学のスターを集めた。しかし、1年目は優勝の毎日オリオンズに37.5ゲーム差を付けられ、最下位。1953年まで4年連続テールエンドになる。

 六大学の首位打者や都市対抗野球優勝経験があり、時事新報や朝日新聞の記者も務めていた芥田武夫監督の1954年、8球団中4位でAクラスとなるも、翌年からはBクラスに逆戻りし、1958年には130試合で29勝しかできず、勝率2割3分8厘に終わった。パ・リーグは1954年に高橋ユニオンズが加わって8球団になるが、戦力差は如実に現れ、消化試合が多くなってしまい、観客動員も低迷。1957年には7球団、翌年には6球団と減っていった。野球担当記者が話す。

「危機感を覚えていた近鉄は1958年オフに巨人の2軍監督を務めていた千葉茂を招聘します。戦前から巨人の中心選手だった千葉は川上哲治と並び、次期監督候補と目されていました。もし千葉が近鉄に行かず、巨人に残って監督になっていたら、球史も変わったかもしれません」(以下同)

 近鉄は、千葉新監督の愛称である「猛牛」をチームの呼称にして「パールス」から「バファロー」に。千葉監督は巨人から内藤博文ら3選手を引き連れてきた。翌年オフにはかつての30勝、MVP投手である大友工が10年選手制度を利用し、近鉄に。加倉井実など含め、計5選手が巨人から移籍してきた。しかし、成績は上がらず、3年目の1961年には140試合制で103敗を喫し、3年連続最下位となり、千葉監督は辞任。翌年、「バファロー」から「バファローズ」と呼称は複数形になった。

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
M-1での復帰は見送りとなった松本(時事通信フォト)
《松本人志が出演見送りのM-1》今年の審査員は“中堅芸人”大量増へ 初選出された「注目の2人」
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン