国内

小池都知事のアラート解除、コロナ収束“錯覚”させる危険性

夜間も含めた不要不急の外出自粛を呼びかける小池百合子・東京都知事(時事通信フォト)

「東京アラート」解除には疑問が残る(時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、「東京アラート」解除と都が公表する感染者数の信憑性について。

 * * *
 都民に感染拡大への警戒を呼びかける「東京アラート」が6月11日、あっさり解除された。アラート発令に合わせて赤くライトアップされていたレインボーブリッジと都庁舎も、解除に合わせて虹色に元通り。都が独自に定めた3つの発動基準(直近1週間の平均で、1日あたりの新規感染者20人未満、新規感染者に占める感染経路不明の割合が50%未満、週単位の感染者増加比1未満)と照らし合わせれば発動するのは遅かったが、解除するにはまだ早く、矛盾だらけだ。

 発動から解除まで9日間、少しは何らかの対策や変化があるのかと思ったが、変わったことは何もなかった。小池百合子都知事が都内事業者に示したロードマップは「ステップ2」のまま。やったことと言えば、「夜の街」関連の感染者増加を受け、都知事が新宿の夜の街を名指しし、東京都や区の職員や医師会の人たちによって歌舞伎町の見回りが行われたぐらいしか記憶にない。

 いったい何のためのアラートだったのか。いや、何のために設けられた発動基準だったのか?ここ数日の感染者数が落ち着き、医療体制が確保されているからというのが解除理由だが、「解除する方向で検討」という情報がメディアに流れた時は、基準の「週単位の感染者の増加比1未満」をわずかに上回っていた。

 東京都の感染者数は6月7日が14人、8日13人、9日12人、10日18人、11日が22人。公表された数値を見ていると、直近1週間の平均で1日あたりの感染者数20人未満という基準は確かに下回っている。小池都知事の「よく数値を見ながら分析したい」という発言を聞いていると、公表の数値は確かなものだと確信しているのだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン