国際情報

台湾のIT大臣、タン氏 天才には「未来が見え」世界を救う

コロナ禍での活躍で一躍有名になった台湾のオードリー・タンIT担当相(写真/AFLO)

 世界に先駆けて、新型コロナウイルスの感染拡大を初期段階で封じ込めた台湾。その陰には、1人の「天才」がいた。IT担当大臣を務めるオードリー・タン氏(39才)だ。身上書の性別欄に「無」と書いたことでも知られる。

 マスク不足に対応するため、販売店ごとのマスクの在庫がリアルタイムでわかるアプリを緊急開発。さらに、マスク購入の際にICチップを内蔵した保険証を提示するシステムを導入し、購入履歴をもとに過剰な買い占めを防ぐことに成功した。タン氏の活躍で、台湾のマスク不足問題は沈静化した。

「タン氏は知能指数(IQ)が180を超えるといわれ、幼い頃から天才と称されてきました。“中学校中退”という異色の経歴を持ちながら、米IT大手・アップル社のデジタル顧問を経て、IT担当大臣となった。台湾史上最年少の35才で入閣を果たし、いまでは“台湾の希望”と呼ばれています」(国際ジャーナリスト)

 歴史を遡れば、大きな危機に直面した世界を救ってきたのは、いつも「天才」たちだった。例えばコレラや天然痘、ペストなどの感染症の危機から人類を救ったのは、天然痘のワクチンを開発したエドワード・ジェンナーや細菌学を確立したルイ・パスツール、“日本の細菌学の父”と呼ばれる北里柴三郎ら偉人たちだ。

 才能教育の第一人者で、関西大学教授の松村暢隆さんは、「天才」を次のように定義する。

「天才の定義は難しく、IQが高いだけでは天才とは呼べません。エジソンやアインシュタインのように、IQが高いだけでなく偉大な業績を上げた人を指すと考えています。

 天才は、その時代に必要とされるほんの一握りの存在といえるのではないでしょうか。その時代において革新を起こせる、環境や運にも恵まれる必要があります。ビル・ゲイツも100年前なら才能を発揮できなかったかもしれない。その時代、その国に、世の中を救ってくれる天才がいることは幸せなことでしょう」

 コロナ禍のこの時代、人類を救うべく必要とされる天才は、必ずどこかにいるはずだ。そんな天才たちも時代とともに飛躍的に“進歩”している。世界に目を向ければ、常識を超えた“ありえない天才”が活躍していた。

関連記事

トピックス

畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《愛妻・畠山愛理がピッタリと隣に》鈴木誠也がファミリーで訪れた“シカゴの牛角” 居合わせた客が驚いた「庶民派ディナー」の様子
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
ドイツのニュルンベルクで開催されたナチ党大会でのヒトラー。1939年9月1日、ナチ・ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発した(C)NHK
NHK『映像の世紀』が解き明かした第二次世界大戦の真実 高精細カラー化されたプロパガンダ映像に映る国民の本音、老いて弱りゆく独裁者の姿
週刊ポスト
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
萩生田光一元政調会長が幹事長代行へ起用(時事通信フォト)
《SNSで非難轟々》“裏金議員”萩生田光一氏が党執行部入りの背景 永田町関係者が明かす“総裁選での暗闘”と「香水がとてもいい香り」の珍評価
NEWSポストセブン
巨人の阿部慎之助監督(左)とDeNAの三浦大輔監督
セ2位DeNA・三浦監督は勇退で3位巨人・阿部監督は続投でいいのか? 御意見番・広岡達朗氏は「三浦は偉い」「阿部は三浦が辞めた意味すらわかっていないんじゃないか」
週刊ポスト
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン