ライフ

生きづらいと感じる10代の君に試してもらいたい幾つかの方法

社会との距離感に悩む若者が少なくない(GettyImages)

 悲しいかな、自らを殺める若者は増えている。昨年の10代の自殺者は過去20年間で最も多い。大志とまではいわなくともささやかな希望を胸に、普通に生きることがこと日本では難しくなってしまっているのか。コラムニストのオバタカズユキ氏がレポートする。

 * * *
 実弾が装てんされたリボルバーの銃口を左こめかみに当て、引き金を引いて、「パン!」――。東京の八王子に住む、まだ15歳の高校1年男子生徒が、どうやらそのような方法で自殺したらしいとのニュースを知ったときは、ショッキングであると同時に、どこかリアリティがなかった。銃社会とはまったく縁遠い日本でおきた事件だったからなのだけれども、それで一人の男の子の命が失われたことを、我々はどう受け止めたらいいのだろう。

 男子生徒は中学2年生の後半から不登校状態で、今春から私立高校の通信制学級に入ったという。週3日登校するカリキュラムだったそうだが、事件が起きた6月8日は月曜日。コロナの影響でようやく授業が始まった6月1日に登校してから先は欠席が続いていたらしいので、週明け登校のプレッシャーがかかっていたのだろうか。午前7時半頃に家族に起こされて起床した30分後の午前8時過ぎ、自殺を図ったとみられる。

 事件現場の男子生徒の部屋からは、リボルバーとは別の自動式拳銃用の弾倉1個や拳銃ホルダー3個も押収されていたそうである。たんすの引き出しの奥に仕舞われていた実弾は、箱入りで50発以上あったとのこと。

 それらをどうやって調達したのか。やはり闇サイトと呼ばれるところで購入した? 防犯の観点からもその入手経路が気になるが、これは警察が解明していく問題だ。捜査の進展を待つしかない。

 では、なぜ銃なのか。憶測をあまり書き連ねるのは自重したいが、確実、かつ楽に死ねる方法だと考えた可能性がある。

 映画やドラマの世界では、同じ方法で簡単に死んでいく登場人物がたくさんいる。作り話の世界の出来事なのでリアリティは薄い。けれども、だから引き金を引くことの恐怖も歯止めにならず、意外と容易く実行できてしまった、のではないか。

 ただ、そうした自殺方法の特殊性を横に置いたら、いわゆる生きづらさが原因で、自ら命を絶った多くの日本の若者の一人であることが浮かび上がってくる。

 自殺理由は? 遺書らしきものはないとの話なので、なかなか明らかにならないかもしれない。そもそも子供の自殺といっても、そこに至るまでには家族関係、友達関係、学業や進路の問題などが複雑に絡み合っているものだ。不登校と、ひきこもりもあったそうだから、「なぜ普通に生きられないのか」、親も当人も答えがわからず、もう何年も苦闘していた可能性が高い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン