4月30日に成立した補正予算の資料には〈帰国する日本人留学生等を受け入れるため〉とあるが、帰国者数が落ち着くなか、第2波に備えた収容先ということかと聞くと、「整備した部屋が実際にどう使われるかは今後のこと」(同前)だという。ハコモノに12億円も使うくらいなら、ホテルを借り上げたほうがよっぽど安上がりだろう。
元経産官僚の古賀茂明氏は「シロアリ官僚お得意の予算の流用」と批判する。
「東日本大震災の際にも全国各地の税務署の耐震補強工事や、岐阜県のコンタクトレンズメーカーの工場建設など、被災地に関係ない事業に巨額の予算が投じられた。これは政府の“いつものやり口”なのです」
泥棒を正当化するために繰り出される新たな“口実”。「泥棒は嘘の始まり」――。
※週刊ポスト2020年6月26日号