今の漫才は動きが大きいでしょう? でも二人はマイクの前からほとんど動かないし、表情も控えめです。僕らの世代の漫才師は、ラジオでやっても笑えるのが漫才だという意識が強いんです。ラジオだと表情やリアクションのおもしろさは、伝わらないじゃないですか。だからこそ、言葉の芸を突き詰めていくわけです。
第1回大会で中川家という、関西のしゃべくり漫才の王道をいく漫才師が優勝して、その間、いろんなタイプの漫才師が誕生し、一周して原点に戻って来たような感覚になりました。
●聞き手/中村計
※週刊ポスト2020年7月3日号