国内

コロナ対策で名を上げた地方リーダーこそ「道州制」の起点に

コロナ対策では全国の知事が名を売った

 新型コロナウイルス問題が大流行したことで、政治リーダーの危機管理能力に注目が集まっている。経営コンサルタントの大前研一氏が、指導者に求められる「四つの力」と、地方リーダーが持つ可能性について解説する。

 * * *
 新型コロナ対策では、地方自治体の長(首長)たちのリーダーシップにも格段の差があった。東京五輪・パラリンピックの延期が決まるまで感染拡大を座視していた東京都の小池百合子知事はともかく、大阪府の吉村洋文知事、北海道の鈴木直道知事、福岡市の高島宗一郎市長、千葉市の熊谷俊人市長らの決断力や指導力、コミュニケーション力は高く評価されている。

 なぜ、彼らが首相や閣僚よりリーダーシップを発揮できたのか? 首長は直接選挙で選ばれている「三軍の長」だからである。日本の行政システムは、権限が“縦割り縄のれん”の中央省庁から地方自治体へ下りてくる際に首長のところで一つにまとまり、その下は再び中央省庁と同じような組織になる。いわば砂時計のような形になっていて、くびれ部分の首長は権限が集中しているため、それを行使しやすいのである。

 にもかかわらず、大半の首長はリーダーシップを発揮できていない。その多くが総務省や経済産業省など中央省庁の官僚上がりで、出身省庁などの顔色をうかがっているから、大胆な意思決定ができないのだ。

 一方、吉村知事は元弁護士、鈴木知事は元東京都職員、高島市長は地元テレビ局の元アナウンサー、熊谷市長はICT企業の元サラリーマンなので、中央省庁とのしがらみがない。だから自由な発想で地域に密着した独自のリーダーシップを振るえるのだ(ただし、民間出身でも知名度だけで首長になり、思考能力もスタッフを使う力もないことが今回露呈した知事や市長もいた)。

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン