ドラマ版にも古谷一行金田一×長門勇の日和警部、ハナ肇の等々力警部など、多くの金田一と相棒警部が登場。金田一は、警部からは怪しまれたり、協力を頼まれたりするのがお約束。このパターンは、一昨年、『犬神家』、昨年『悪魔の手毬唄』と加藤シゲアキが演じた金田一の相棒となった橘署長・立原警部補(生瀬勝久)にも引き継がれている。また、横溝正史が生み出した江戸の名探偵を主人公にした『人形佐七捕物帳』は、2016年に要潤主演で久しぶりにドラマ化されている。このときの相棒ともいえる町奉行所与力・神崎甚五郎を演じたのは、小木茂光だった。
横溝名探偵の相棒には、「顔は強面だが愛嬌がある」「推理力はイマイチ」という共通点がある。由利麟太郎の相棒の等々力・田辺は強面とは言えないが、「初動が遅い!」などと部下には強気。一方で捜索の際に血の付いた衣類に「おお」と後ずさりしたり、大きな長持ちのフタを開ければ指をはさんで「あいたた」となるなど愛嬌はバッチリ。好物はたい焼きだという。もっと出番があってもいいくらいだ。吉川晃司に得意のシンバルキックのごとく、蹴りを入れられたら犯人はひとたまりもないが、その横に三津木とともに等々力アリ! 注目したい。