地上波だけでなく、CS放送や動画配信サービス「DAZN」などでも巨人戦は中継されている。その分、視聴率が分散するとの指摘もある。

「確かに普段から巨人を応援しているファンは余計な演出のないCSなどを見るかもしれません。しかし、地上波以外の視聴率を換算しても、実際は雀の涙ほどにしかならない。仮に今後、地上波のみの中継が実現しても、12%を超えるとは考えづらいのではないでしょうか。

 日テレは今年、あと4試合巨人戦ナイターを中継する予定になっていますが、いかに下げ止めるかを模索するしかない。昨年8月29日、松井秀喜氏と高橋由伸氏のダブル解説という往年のファンにとって堪らない演出をしても6.7%しか取れなかった。今後も低い数字を覚悟しないといけないでしょう」

 関東地区の巨人戦は視聴率に苦しんでいるが、他の地区でのプロ野球中継は低迷するどころか、高視聴率を稼いでいる。

「ゴールデン帯の開幕ナイターの数字をおさらいすると、関西地区の巨人対阪神(読売テレビ)は17.4%、広島地区のDeNA対広島(広島テレビ)は27.6%、札幌地区の西武対日本ハム(札幌テレビ)19.7%、仙台地区のオリックス対楽天(NHK)は17.6%、北部九州地区のソフトバンク対ロッテ(テレビ西日本)は17.7%です。

 これらの地域のファンも、契約すればCSやDAZNは観られる環境にある。それにもかかわらず、地上波で高い数字を記録している。この事実からも明らかなように、巨人戦の地上波中継の視聴率が上がらないのは、決してCSやDAZNで観られるからではないんですよ。ちなみに、名古屋地区のヤクルト対中日(東海テレビ)は9.9%で、地方局の開幕戦中継で唯一1桁でした。もう何年も中日が低迷しているので、ファン離れが進んでいることが、数字にハッキリ現れている。全体的に見て、巨人戦の視聴率低下はプロ野球人気の低下ではなく、単に巨人の人気が落ちていると考えるべきでしょう」

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