いちいち驚かれてご本人も迷惑かとも思うし、綾野剛と共演した『コウノドリ』は十分に落ち着いたおとなの産婦人科医だった、大河ドラマ『いだてん』じゃ、外交官として東京五輪招致のキーマンとなった平沢和重役だったとも思うのだが、それでもなお、この『MIU404』には、新しい星野源カッコいい男化計画を感じるのである。

 なにしろ、星野源といえば、“彼女いない歴=年齢のプロの独身”役だった野木脚本作『逃げるは恥だが役に立つ』、突然、藩の引越しの責任者にされちゃった引きこもり侍役だった映画『引っ越し大名』など、どこかおとなになりきれない男を演じさせたら、誰にも負けない存在だ。それがここへきて、スーツをゆるめに着て機捜の上司(麻生久美子)に「ネクタイ、ボタン、前締めて」と注意されたり、コートのポケットに手を突っ込んで孤独っぽい顔を見せたり、カッと熱くなってハンドルを切る横顔を見せたり、次々「これは」というシーンを連発。

 スタート前、本人は「暴れられそう」「今までにない自分を出せそう」などと語っていた。自身のInstagramではドラマのオフショットも掲載。初の刑事役で新たな「顔」を見せた星野源。このままおとなになっちゃうんでしょうか。ちょっと残念な気もする。

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