「未来の藤井」を目指す子どもたちも増えている(時事通信フォト)

「未来の藤井」を目指す子どもたちも増えている(時事通信フォト)

◆将棋界の未来を担う子どもたち

 表面上は華やかでも、プロ棋士となるまでも、なってからも厳しい日々が続く将棋の世界を見てきたが、藤井七段の大活躍などに触発され、プロ棋士を憧れる子どもたちは多い。

 将棋連盟が主催する「小学生将棋名人戦」の予選には毎年3000人以上の子どもたちが参加する。2019年大会は、全国各地での予選を経て、2019年4月に決勝大会が行われた。

 全国各地の小学生が参加する「テーブルマークこども大会」も人気の大会。2019年は6月から11月にかけ11会場で大会が開催された。11月の東京大会には2494人の子どもが参加。会場の幕張メッセには同伴者を含める5876人が来場した。筆者はこのときの低学年の部、高学年の部の決勝戦を観戦したが、とても子供とは思えないハイレベルな対局で、小学1年生の子が歩を巧みに操る見事な指し回しを披露。驚愕のシーンの連続だった。

 2019年のレジャー白書(15歳から79歳が対象)では680万人とされる将棋人口は、子どもたちを含めれば、その規模はさらに膨れ上がる。少子化が進む中でも、全国大会に参加して「未来の藤井」を目指すたくさんの子どもたちが今後の将棋界を支えていくはずだ。藤井七段だけでなく多くのプロ棋士たちに対局を通じて夢のあるドラマを展開していってほしいものである。

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