国内

藤井聡太旋風で脚光 東大より難しいプロ棋士合格とその収入

史上最年少タイトル獲得を目指す藤井聡太七段(時事通信フォト)

史上最年少タイトル獲得を目指す藤井聡太七段(時事通信フォト)

 17歳の高校生プロ棋士・藤井聡太七段の快進撃で、将棋が脚光を浴びている。7月9日の棋聖戦第3局で渡辺明棋聖(三冠)に勝てば、史上最年少のタイトル奪取となり、再び藤井フィーバーが起きるのは間違いない。そんな将棋界の人気ぶりについて、ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。

 * * *
 藤井七段が絶好調だ。初のタイトル挑戦となった棋聖戦では、第1局、2局と渡辺棋聖に連勝し、タイトル奪取に王手をかけている。7月9日の対局に勝てば、タイトル獲得の史上最年少記録「18歳6か月」を更新することになる。

 藤井七段は木村王位との王位戦第1局にも勝利しており、今年中に二冠の可能性まで出てきている。藤井七段は2016年10月、14歳2か月で四段に昇段しプロ入りした。これも史上最年少である。それから4年も経っていないのに、早くもトッププロ棋士に肩を並べようとしているのだから、スゴイの一言である。

 レジェンド棋士たちの四段昇格時の年齢をみると、加藤一二三九段(引退)が14歳7か月、谷川浩司九段が14歳8か月、羽生善治九段が15歳2か月、渡辺三冠が15歳11か月だった。藤井七段の速さが分かる。

 現在、タイトル初獲得の最年少記録を保持するのは屋敷伸之九段。90年前期の棋聖戦(当時は2期制)で中原誠棋聖(十六世名人)を下した。18歳6か月だった。藤井七段は30年ぶりにこの偉業を打ち破ろうとしているのだ。

◆プロの養成所に入会できるのは一握りのエリートのみ

 プロ棋士になるためには、プロ棋士の養成機関である公益社団法人・日本将棋連盟の新進棋士奨励会(奨励会)に入らなければならない。そのためには毎年8月に行われる入会試験に合格することが必要となるのだが、この第一ステップからして難関だ。

 試験は一次と二次がある。一次試験は筆記と受験者同士の対局。ここをクリアして二次試験に進むと、今度は現役の奨励会員との対局と面接がある。ここで現役の奨励会員に1勝することが合格の最低条件となる。

 こう書くと「なんだそんなに大変じゃないじゃないか」と思われる方もいるだろうが、それが実は大変なことなのである。奨励会試験に臨んでくる受験者はといえば、小学生将棋名人戦など全国大会の上位入賞者ら強豪ぞろい。渡辺三冠、羽生九段らも小学生将棋名人戦のかつての優勝者だ。こうしたつわものを相手にするので、アマ五段程度の実力が必要と言われ、合格率は約3割という狭き門である。

 ちなみにトップ棋士たちは何歳ぐらいで奨励会に入会したのか。豊島将之竜王・名人は小学校3年生、渡辺三冠は小学校4年生、藤井七段は小学校4年生と、小学生段階で入会している。一方、奨励会の試験に落ちて下部組織の研修会で修業を積み、15歳で奨励会に編入したという棋士もいる。いずれにしてもトップ棋士の多くが早熟であることは確かだ。

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン