街中でも家族は寄り添っていた
「『EBIZO THEATER』の商標を取ったということは、何らかの施設ができる可能性があるのでしょう。それと同じくらい注目を集めているのが、『海老蔵二十四番』です。成田屋には、18の歌舞伎演目をまとめた『歌舞伎十八番』があります。これにならえば、『海老蔵二十四番』を出願したということは、海老蔵さんが新たな24の演目を制定するのではないかといわれているんです」(前出・別の歌舞伎関係者)
海老蔵は過去のインタビューで、《歌舞伎俳優は、歌舞伎という伝統文化を守るために存在しています。ですが、私の中では新しいこともしながら守る、その両論で進むことで伝統が守られるという発想です》と語っている。その言葉通り、こうした一連の行動は、歌舞伎界全体を思うがゆえという見方もある。
「最近の海老蔵さんは、歌舞伎界きっての名門・成田屋の当主として、歌舞伎界を盛り上げて、しっかりと後ろの世代にバトンをつながなければいけないという責任感が強くなっているんです。バトンをつなぐうえで、お金も残してあげたいと考えているようです。というのも、この新型コロナの影響で、金銭的に苦労する歌舞伎役者が続出しました。海老蔵さんは歌舞伎役者たちに、“お小遣い”を渡して“援助”しているんです。この先、歌舞伎界を衰退させないためにも、お金が必要と痛感している。やり方をどうこういう人もいますが、海老蔵さんの気遣いについていこうと考える役者が増えているのも事実なんです」(前出・別の歌舞伎関係者)
周囲が戸惑いを見せようとも、たとえ敵を作ることになろうとも、海老蔵は改革を進めていく。すべては歌舞伎の伝統を守り、バトンをつなぐためなのだろう。
※女性セブン2020年7月23日号