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夜の街で働く女の子に大好評の元組長の絶品二色そぼろ丼

ヤクザの「当番メシ」ではそぼろ丼も大好評

ヤクザの「当番メシ」ではそぼろ丼も大好評

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回もとっておきの、暴力団元組長の絶品レシピを公開。

 * * *
「先日の都知事選、なんとも言えない顔ぶれで…。もう少し期待感の持てる人がいないのかって。誰がなっても変わらない、関係ないって言えばそれまでだけど、生活感一つ感じない人がなっても一般庶民の辛さや苦しみはわからないでしょ?」

 そう言った後、「俺は一般人…なんですかね?」と元組長は笑いだした。電話をしながら、何か作業をしている音が聞こえる。

「今日は、そぼろご飯。これ女の子たちが好きで、作るとみんな完食さ」

 東京都による休業要請中、元組長が関係する夜の街関連のお店も営業自粛で休業を余儀なくされた。当然、働いていた女の子たちは収入がない。そんな彼女たちのために、時折、彼が店の厨房で食事を作ってやっていた。これが大好評で、自粛解除後も時々作りに行くらしい。

 レシピはもちろん、現役時代の「当番レシピ」だ。そぼろご飯といえど男ばかりのヤクザ事務所なら、これもがっつりした丼物に変身する。白飯の上にこれでもかと鶏肉そぼろを山盛りにし、黄色の卵そぼろもたっぷりそえれば、食欲そそる二色丼のできあがりだ。組の若いヤツらはこれを一気にかき込むというより、胃の中に流し込んでいく。

「今日は米4合に、鶏もものひき肉700g」

 組の当番時代に用意していた量は、米もひき肉もこれより多かった。

「胸肉だと脂が少ないので、使うのはもも肉」

 もも肉だと、噛んだ時に脂身の濃厚なうまさがジュワッと口の中に広がるのだという。

「味付けは、醤油、白だし、みりんを等分の量」

「等分」というから調味料は1:1:1。いつもは万能調味料を使いこなす元組長だけに、ここは麺つゆでも使うのかと思ったが、和食に万能調味料はないらしい。

「あと、砂糖を少し多めに、塩は少々。生姜は好みで」

 味付けはこれだけだ。

「卵は8個。ボールに割りいれたら菜箸で軽くかき混ぜ、そこに白だし、みりん、砂糖に塩少々。少し甘めの方がうまい」

「それをフライパンに投入、火加減は強火。ヘラは使わず、菜箸4本でかき回す。固まりかけたら火から下ろし、ぬれ布巾の上でさらにかき回す。これがふんわりコロコロの卵そぼろを作るコツ。この作業を何度も繰り返す。小さくポロポロになるまで頑張ります!」

 LINEで送られてきた写真には、小さく粒の揃ったポロポロのきれいな卵そぼろが写っていた。どう見てもお店レベルだ。

「卵料理は簡単なようで難しい。オムレツは卵に火が通ってきたら、一度火から下ろしてかき回さない。その方が、中がトロッとするんだ。ぬれ布巾は使わないが、これを2〜3度、繰り返す

 こうすると卵に火が入りすぎるのを防げる。当番レシピは手間暇かけず、簡単お手軽でおいしいというイメージだったが、卵料理に関しては手間暇を惜しまないのが鉄則らしい。

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