ビジネス

カルビーに聞く 原則テレワーク導入で評価や新入社員対応は

2017年に実施した「テレワーク・デイ」当日のカルビー本社のオフィス(写真/カルビー提供)

 新型コロナウイルスの拡大を背景に、菓子大手のカルビーが7月1日から開始した、テレワークの原則化や単身赴任の解除などを盛り込んだ新しい働き方が話題になっている。フレックスタイム制も廃止し、まずは本社や各地の営業拠点で働く従業員約800人を対象に、30%程度の出社率を目指すという。新しい働き方を導入した狙いについて、カルビーに聞いた。

 コロナ対策で、急速にテレワークを推奨する企業が増えるなか、テレワークを”原則”とするカルビーの発表は大きな反響を呼んだ。なぜ今回のような思い切った決断に至ったのか。

「テレワーク自体は6年前から導入していたのですが、利用者はそれほど多くなく、働き方を大きく変えるほどには定着していませんでした。しかし、緊急事態宣言以降、本社や支店勤務の従業員の出社は認めず、テレワークを基本としたところ、5月に実施した社内アンケートで、回答者の6割以上の社員が『感染拡大前の働き方を変えたい』と感じていることが分かりました。今回のテレワークの原則化は、そうした声を受けての決定です」(広報課の川瀬雅也さん・以下同)

 アンケートでは、「テレワークで実感したメリット」についても尋ねたところ、「通勤時間がなくなって楽になった」という声や、「遠慮しながら退社する必要がなくなった」、「集中力が向上した」、「家族との時間が増えた」などの声も多く寄せられたという。ただ、対象となるのは、全従業員約3700名のうち約2割の従業員で、商品開発や工場に勤務する約2900人は対象外。対象者の中にも、テレワークが難しい部署で働く社員もいるだろう。

「弊社は食品メーカーなので、食べたりパッケージを触ったりする作業が必要不可欠です。そのため開発部門や工場で働く従業員は対象外としていますが、そうした従業員も、必ずしも毎日出社しなければならないわけではありません。データ分析など、業務内容によっては出社するかどうかを自分で決められます。

 対象の従業員についても、テレワークを原則としていますが、出社すべき時は自分で判断できます。今回のテレワーク制度は、出社するかどうかも含め、“自分自身で決める”ことで、仕事に当事者意識や主体性を持ってもらい、モチベーションを上げてもらうという狙いもあるのです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン