国際情報

中国「露店経済」巡り習近平主席と李克強首相がつばぜり合い

露店を巡ってつばぜり合い

 中国の李克強首相が7月初旬、中国内陸部の貴州省貴陽市を視察した際、集まった市民に対して、「ここに来るまでに、いろいろと見てきたが、動いていない工場が多いようだ。失業者対策をしっかりとしなければならない」と感想を述べていたことが分かった。さらに、李首相は市民に「いま一番難しいことは何だと感じていますか」と質問。ある市民は「仕事がないことだ。コロナのせいで、仕事がなくなった。仕事を見つけることが一番難しい」との答えが返ってきた。

 李首相は今年5月下旬から6月初めにかけて、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞への雇用対策として、屋台などの「露店経済」の活性化を主張していた。だが、習近平国家主席らの反対で、露店経済を否定された経緯があり、この貴州省の視察で、習主席らの経済対策の失敗を印象付けようとしたとの見方が出ている。

 中国メディア「新浪財経」によると、李首相は今月7日、貴陽市にある貴州省政務サービスセンターを視察。その帰り際に、センターの門の前で待っていた市民らのグループに、李首相は冒頭の質問をした。この答えを聞いた後、さらに、李首相は同じ質問を投げかけたところ、別の市民も「仕事がなくて、生活ができないんだ」と大声で返事したという。

 しかし、李首相は市民の訴えには直接答えず、話題を貴州省の交通インフラ建設に切り替え、「交通インフラの建設で、仕事が増えるようになります。そのときには、みなさんが雇われるようになりますよ」との言葉をかけた。

 さらに、李首相は「貴州省は動いていない工場が多いけれども、これからは失業者対策をしっかりとやります」と語り、首相としての決意をにじませたという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン