●食事をするときに気をつけることは?
元陸上自衛隊衛生学校研究員で災害医療ジャーナリストの照井資規氏は自衛隊在籍時に被災地に派遣された際、避難所が“人間の嫌な面が出てくる場所”であることを体感したという。
「極限状態の中では多くの人が普段とは違う顔を見せるようになり、盗難やケンカも発生する。自分の身を守るためには、食料をたくさん持っていても、他人に知られてはいけませんし、分け与えてもいけない。食べる時も段ボールなどで周囲が仕切られた中で、他人からの視界を遮るようにする。それくらい警戒しなければいけません。
しかし、それだけでは周囲とギスギスしてしまうので、物の交換ではなく『知識や知恵の交換』をしましょう。寝床の項目で説明したような『段ボールベッドの作り方』などの知識は、周りの人に教えたり協力して作ることで避難所での信頼を得ることができます」
自分たちの住んでいる地域もいつ豪雨に襲われるか分からない。避難所生活を余儀なくされた時にできるだけ快適に過ごせるよう、正しい知識を持っておきたい。
※週刊ポスト2020年7月31日・8月7日号