芸能

女優・石橋静河、“二世”の肩書き不要の図抜けた演技力

父は石橋凌、母は原田美枝子の俳優一家に育った(時事通信フォト)

 役者としてどれほどキャリアを積み重ねても、なかなか手に入れることができない“演技派”という称号。デビューからほんの数年でそんなポジションを確立しつつある女優がいる。このところ映画ファンやドラマの視聴者から大きな注目を集めている石橋静河だ。

 バレエ留学を経てコンテンポラリーダンサーとして活動していた石橋が、女優としてのキャリアを歩み始めたのは2015年のこと。芸能界ではほぼ無名の存在だった彼女だが、役者を志してからの活躍はめざましく、2017年には池松壮亮とのダブル主演作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』でブルーリボン賞の新人賞をはじめ数々の映画賞を受賞。さらに2018年には、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインの幼なじみである萩尾律(佐藤健)の妻・より子役を演じ、幅広い層からその存在を認知されるようになった。

 邦画や若手俳優に明るいライターの折田侑駿氏は、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』における鮮烈な印象を「キャリアの浅さをまったく感じさせない堂に入った佇まいで、新しいタイプの“映画女優”の誕生を印象付けられました」と振り返る。また石橋の出演舞台『こそぎ落としの明け暮れ』と『神の子』を鑑賞し、「身体をうまく扱える」という資質が女優としての魅力に結びついていると感じたという。

「彼女の一挙一動には目が離せなくなるような美しさがあり、それが映像作品における自然な佇まいにも反映されているのだと思います。物語の世界や人物設定など、求められているものに自身の身体をフィットさせる優れた身体性を持っているのではないでしょうか」(折田氏)

 そんな石橋の父は、人気ロックバンド・ARBのボーカルとして1980年代に一世を風靡し、現在は俳優として活躍する石橋凌。そして母は黒澤明、増村保造、神代辰巳、深作欣二といった巨匠たちに重用された名女優・原田美枝子だ。芸能界を目指すには恵まれた環境であると言える一方で、「親の七光り」と謗られることも少なくない“二世”という属性を背負いながら、石橋は両親の威光とは関係なく自分自身の芝居でその実力を証明してきた。

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