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コロナ禍で直接会って触れ合えない時代、心と肌を癒す方法

日本人には少ないハグや肌のふれあいの効果を大切にしたい

 コロナ禍となり、人と会う機会が著しく減った人も少なくないだろう。皮膚に触れると癒されるのは、オキシトシンというホルモンの効果が大きいとされる。分娩時や授乳時に分泌されることでも知られるが、親しく触れ合ったりハグしたりすると分泌される。別名「愛情ホルモン」とも呼ばれる。

 桜美林大学教授で臨床発達心理士の山口創さんはこう語る。

「子育てのためのホルモンで、夫婦間の絆を深め、協力して子供を育み愛情を注ぐように働きます。親しい友や恋人といるときのような安心で幸せな気分がまさにオキシトシンの効果。大人同士が仲よく親密な関係を築くために大切な役割を果たします」

 そんな中、なかなか会えない老親ケアのために意識的に触れるコツとはどういったことなのだろう。

「触覚の要である手はもっとも敏感で、触れられる気持ちよさも感じやすいところ。手のひらはもちろん、実は甲にも神経が多く集中しています。またいちばん触れやすいのは肩と背中。いわゆるパブリックゾーンで初対面の人に触られても抵抗感が少ない場所。反対にプライベートゾーンはお腹や内股など。よほど親しい人でなければ触られたくない部位です」

 手や肩、背中ならマッサージはもちろん、並んで歩きながら手をつないだり支えたり、何気ないタイミングでさすったりできそうだ。

 また触れ方によっても違った効果がある。

「圧をかける刺激には、不安や興奮を落ち着かせる効果があります。自閉症の子供がパニックを起こしたときなどはギュッと抱きしめてあげると落ち着くのです。圧力をかけず、皮膚の表面を軽く、素早くさすると覚醒します。日中、傾眠気味の高齢のかたにも効果的です」

 触れることでオキシトシンが出てくるまでには10分くらい。できれば毎日のように行うと、落ち着いた精神状態が継続できるという。

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