国内

コロナ“家族道連れ感染”で重症化、最悪シナリオの行方

陽性率が7%を超えると死者が急増するというデータがある(共同通信社)

「33.4%」──これは、日本国内で新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを抱える人口の割合である。

 イギリスなどの国際研究チームが、新型コロナの重症化要因とされる心臓血管疾患、糖尿病、慢性の呼吸器疾患などの持病が1つでもある人口を推計したもので、7月下旬に報じられた調査結果だ。それよると、日本の33.4%は、世界平均の22.4%を大きく上回った。

 そもそも持病がある人は高齢者に多い。そのため、超高齢化社会の日本は自ずと重症化リスクが高くなる。

 日本はかろうじて第一波を食い止めることができた。しかし、このまま第二波がより大きな波になれば、国民の3人に1人が生命の危険にさらされることになる。

 *
 感染再拡大が止まらない。7月25日、国内の累計感染者が3万人を突破した。4日に2万人を超えたのちわずか3週間で1万人増加。1月16日に国内で初めて感染者が報告されてから1万人に達するまで3か月かかったことを考えると、増加のペースは確実に早まっている。

 国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが警鐘を鳴らす。

「このまま感染拡大が続けば、医療崩壊の危機に瀕し多くの死者を出したアメリカ、イタリア、イギリスの二の舞です。日本が遭遇したことのない事態に発展する可能性があります」

 政府は、感染者増加の理由はPCR検査数が増えたからと説明するが、それに反し「陽性率」は上昇。東京は5月下旬の1%台から、7月16日以降は6%台が続き、大阪は7月26日に13%に達した。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが指摘する。

「普通は分母である検査数が増えれば陽性率は減るものです。それなのに陽性率が上昇するのは、感染拡大に検査が追いついていないからと考えられます。つまり、実態が把握できておらず、多くの漏れがあるということです。陽性者が増えれば、その分、重症化する人も比例して増えるのは当然です」

 一方で有効な対策が講じられているとは言い難い。

 感染拡大の中心である東京の小池百合子都知事(68才)は「夜の街に行かないで」と連呼するばかり。7月24日には都の要請で警視庁が新宿・歌舞伎町などで、風営法に基づく立ち入り検査を実施した。

「小池さんは、9000億円以上あった“都民の貯金”である財政調整基金を新型コロナ対策の名目で807億円まで減らしました。それなのに感染拡大を防いでいないことがわかれば“采配ミス”の責任追及が避けられません。そこで彼女は夜の街を悪者に仕立て、都民の批判をそちらに向かわせ、矛先が自分に向かないようにしているフシがある」(都政関係者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン