芸能

『イッテQ』ほか“許されないヤラセ番組”が量産される背景

やらせ番組が作られてしまう理由は…

 女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が自殺するという悲劇を招いた恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)や、出演者が「台本を渡された」と告白したドキュメンタリー番組の『ザ・ノンフィクション』(フジ系)など、「テレビとヤラセ」の問題がクローズアップされている。

 過去には2013年に対決バラエティ番組『ほこ×たて』(2011~2013年・フジ系)で、ラジコン対決の回で敗退した出演者がヤラセ被害を告発、番組は打ち切られた。

 この問題点は、『テラスハウス』にも通じる「出演者が傷ついてしまった」ということだろう。「真剣勝負だと思って参加した出演者にヤラセをさせたため、傷つけて告発に至ってしまった」(テレビ関係者)

 2018年には『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ系)の人気コーナー「世界の祭り」で、一部の祭りは現地コーディネーターが番組のために用意した「架空の催し」だったことが判明し、企画の中断を余儀なくされた(2020年3月に企画再開)。

 同じ紀行企画でも、前人未踏の秘境探索のはずが先にカメラマンがいた『川口浩探検隊』(1976年~1986年に放送された『水曜スペシャル』・テレビ朝日系)と『イッテQ』とでは何が違ったのか。

『世界まる見え!テレビ特捜部』や『恋のから騒ぎ』など、数々の人気番組を手がけてきた元日本テレビプロデューサー・吉川圭三氏が語る。

「『イッテQ』はイモトアヤコの登山企画など、リアルさを前面に出して成功してきました。しかし、祭り企画も“ガチで挑戦している”という作りにしてしまったので問題になった。昔の番組は最初からリアルさをアピールしない遊びがあった。そこが根本的に違うんです」

 この指摘は、紀行バラエティ番組『クレイジージャーニー』(2015~2019年・TBS系)にも当てはまる。希少生物を捕獲する旅に同行する中で、ロケ前に準備していた生物を、“あたかもその場で発見したかのように”放送していたことがわかり、打ち切られた。

「2016年にギャラクシー賞を受賞したこともあり、どこかで“しっかりしたドキュメンタリー感”を出すようになった。いま思えば、怪しげな紀行番組というスタンスを貫くべきだったのかもしれません」(TBS関係者)

 同じく「珍種の新生物」を追い求めた番組としては、「人とチンパンジーの中間に位置する未知の生物」という設定のオリバー君が登場した『木曜スペシャル』(1973年~日テレ系)が挙げられるが、「『クレイジージャーニー』と違い、オリバー君の場合はそもそも新種だと信じている視聴者が少なかった(笑い)。真面目に追及すること自体がバカバカしい作りになっていた」(テレビ局OB)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
審査員として厳しく丁寧な講評をしていた粗品(THE W公式Xより)
《「脳みそが足りてへん」と酷評も》粗品、女性芸人たちへの辛口審査に賛否 臨床心理士が注目した番組冒頭での発言「女やから…」
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情