芸能

金曜ロードSHOW! コロナ禍で5週連続アニメ映画放送の狙い

アニメ映画の放送が続いている『金曜ロードSHOW!』(公式HPより)

 コロナ禍で、テレビ番組はさまざまな影響を受けているが、映画枠にもちょっとした異変が。『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)が5週連続で、アニメ映画を放送するのだ。その狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 7日夜、『金曜ロードSHOW!』で、アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が放送されます。

 実は一週間前の7月31日にもアニメ映画『聲の形』が放送され、さらに来週14日には『となりのトトロ』、21日には『コクリコ坂から』、28日には『借りぐらしのアリエッティ』と3週連続でジブリ映画も放送。夏休みの時期に計5週連続でアニメ映画が放送されるのですが、このラインナップにネット上には喜びや期待の声が飛び交っています。

 アニメ映画の5週連続放送は、昨年の3週連続、2年前の4週連続、3年前の2週連続と比べても多い数字。しかも今年6~7月の2か月間は8回中6回が洋画だっただけに、大きな変化を感じさせられます。

 なぜ今夏の『金曜ロードSHOW!』はここまでアニメ映画にこだわり、そのことが人々の喜びや期待につながっているのでしょうか。掘り下げていくと、単に夏休みの時期だからではなく、さまざまな背景や事情が見えてきます。

夏の風情を感じる貴重なコンテンツ

 やはり背景として無視できないのは、新型コロナウイルスの影響。再度の感染拡大によって例年のような開放感はなく、「花火大会や夏祭りは中止」「旅行どころか里帰りもできない」「音楽フェスも甲子園もなし」など、夏を感じて楽しめるものが極端に減ってしまいました。

 テレビ番組に目を向けても、相変わらず朝から夜まで新型コロナウイルス関連ばかり。例年のような大型音楽特番が見送られるなど、夏の風情を感じさせるものは少なく、ドラマですら3か月間時期がズレて、いまだに春ドラマが放送されています。

 だからこそ唯一、夏休みのムードを感じられるのがアニメ映画。すっかり夏休みの風物詩となったジブリ映画を筆頭に、親子一緒に安心して楽しめる貴重なコンテンツとなっています。

 また、異例の5週連続放送は、地域ごとに時期が分散し、しかも例年よりも短くなってしまった子どもたちの夏休みにフィット。本来は楽しみな夏休みであるにもかかわらず、大人同様に外出自粛を余儀なくされる子どもたちを癒すものになるでしょう。

 今年のラインナップで特筆すべきは、長年愛され続けるジブリ映画だけでなく、2016年公開の『聲の形』、2017年公開の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』と近年公開の作品をそろえたこと。どちらも子どもたちの目線から描いた物語であり、「日本アカデミー賞優秀賞」を獲得した名作であることも含め、「子どもたちにこの作品を見てほしい」という制作サイドのメッセージ性を感じさせます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン