スポーツ

大船渡・國保監督の思い 佐々木朗希のいた1年前の夏を経て

1年前のあの夏を経て、大船渡・國保陽平監督は今、何を思うか

 8月10日から「甲子園高校野球交流試合」が開催される。各県のトーナメントを勝ち抜いた高校が覇を競う例年の夏の甲子園ではなく、中止になった春の選抜の出場校が1試合のみを高校野球の聖地で戦う。本来であれば甲子園への切符を懸けて争われるはずだった地方大会は、甲子園出場とは関係のない独自大会として開催された。1年前の夏、佐々木朗希(現・千葉ロッテ)を擁して岩手大会を戦った大船渡高校の國保陽平監督(33)は、いま何を思うのか。ノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする。

 * * * 
 新型コロナウイルスの感染拡大によって春の選抜に続き選手権大会が中止となり、各都道府県が独自大会を開催したこの夏、耳に残る指揮官の言葉がある。

 昨年、令和の怪物こと佐々木朗希を擁し、岩手大会決勝まで進出した大船渡は、今年は沿岸南地区代表決定戦で同じ公立校の大船渡東と対戦。序盤から劣勢を強いられ、大船渡の國保陽平監督は次々と控え選手を投入していくも、4対11と7回コールド負けした。

 試合後のロッカールームで國保監督は、出番のなかった部員に直接、こんな言葉をぶつけられていた。

「なんで勝たせてくれなかったんですか」

 甲子園に結びつかない独自大会とはいえ、敗れた選手たちの表情は例年と何も変わらない。涙にくれる部員からの厳しい声だが、國保監督は冷静に受け止めていた。

「去年は、どんな選手が出ても、どんな戦い方をしても、これがベストな戦い方なんだと選手に伝えきることができなかった。今年のチームに関しても、朗希の代のこととか、コロナのこととか、自分が考え過ぎてしまったのかなというのはありますね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト