国内

コロナ対応で大阪市が集めた「雨合羽33万枚」はどこへ?

防護服の代わりにと雨合羽が集められたが(写真はイメージ。時事通信フォト)

 新型コロナの感染拡大による医療現場での防護服不足を受け、大阪市の松井一郎市長が代替品として「雨合羽」の提供を呼び掛けたのは、4月半ばのことだった。呼びかけを受け、市内外から実に33万着が集まったが、大量の雨合羽は今、どうなっているのか。

「もともとは大阪市内での会議で、大学病院関係者から『雨合羽でも欲しい』との発言があったことから、松井市長が呼び掛けたのですが、想定を大きく上回る数が集まった。正直、“予想外のところからの寄付”が多くて驚かされた」(大阪市役所関係者)

 新宗教団体の真如苑はHPで〈新型コロナウイルス対策への支援の一環として、4月15日に大阪市健康局総務課にレインコート500枚を寄贈しました〉と公表。阪神タイガースは、甲子園のバックネット裏前方に位置する年間席の観客に対して雨の日に配布していた「ポンチョ」を段ボール90箱分(4500枚)届けたと会見で明らかにした。胸に〈SEASON TICKET〉と書かれたタイガースカラーの黄色のポンチョである。

「当初、集まった33万枚は、市役所本庁舎の玄関ホールに段ボール詰めで積んで保管していたが、これが市火災予防条例違反にあたるとして、消防局から注意を受ける騒動も起きてしまった。条例は雨合羽のような合成樹脂製品(指定可燃物)は1か所で大量保管する場合、消防当局への届け出を義務付けているが、今回の雨合羽について市は無届けで、保管場所を変えるなどの対応に追われました。

 その大量の雨合羽は、もちろん医療機関にも配布されたが、他にも教育委員会を通じて学校に配られるなどの用途に回ったものもあるそうです。とはいえ、学校が阪神カラーのポンチョを配られても困るんじゃないかという気もしますが……」(同前)

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