記者クラブとは、官公庁や自治体などを継続して取材するために新聞社やテレビ局、通信社など大手メディアの記者が中心になって構成する組織であり、これまでも取材対象との“密”な関係性がたびたび批判されてきた。

「多くの記者クラブは役所内の一室を記者室として無償提供されており、そこを拠点に会見やレクなどに参加します。しかし、クラブに所属して長期間、行政の当事者と顔を合わせていると、“大家(おおや)”に気兼ねして、会見場の空気を悪くする質問ができなくなります。現場の記者は『いや、我々にも厳しい質問は可能だ』と言いますが、それが現実的ではないことは首相会見を見れば明らかです。一方で(クラブに所属していない)フリーランスの記者は当事者の機嫌を気にする必要がなく、予定調和でない質問をするので、有権者にとって有益な情報を引き出すことができます。だがこれまで多くの記者クラブはフリーランスが会見に参加することや質問することを認めませんでした」(畠山氏)

記者クラブの閉鎖体質は地方でも

 2012年に第二次安倍政権が発足して以来、フリーランスの記者は首相会見に出席はできても、質疑で指名されることはなかった。だが、コロナ禍への対応をめぐる2月29日の首相会見後、フリージャーナリストの江川紹子氏が「質問があります」と声を挙げたのに、安倍首相が無視したことがSNSなどを通じて拡散されて批判を浴びると、その後は首相会見でフリーの記者が指名されるようになった。

 7月5日に投開票された東京都知事選でも、記者クラブの弊害が見られた。選挙戦前には、小池百合子・東京都知事のカイロ大卒業をめぐる学歴詐称疑惑などを取り上げたノンフィクション『女帝 小池百合子』(石井妙子著)が刊行され、テレビなどでも話題となっていたが、小池都知事の定例会見でこの本の内容について問う記者クラブの記者はいなかった。

関連記事

トピックス

吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
大東さんが掃除をしていた王将本社ビル前の様子(写真/時事通信フォト
《「餃子の王将」社長射殺事件の初公判》無罪主張の田中幸雄被告は「大きなシノギもなかった」「陽気な性格」というエピソードも…「“決して”犯人ではありません」今後は黙秘貫くか
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン