国際情報

【速報】民主党大会を直撃した「バイデンは3回の脳手術」

高齢問題と病気説が最大の敵になる可能性も(代表撮影/Reuters/AFLO)

 8月17日からアメリカ民主党の党大会が開かれている。バイデン氏、ハリス氏が正式に正副大統領候補に選出される華々しい舞台である。ところがそこに、トランプ擁護メディアの爆弾が襲った。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏のリポート。

 * * *
 民主党大会の実況中継を見て強く感じるのは、アメリカ大統領選挙とは、テレビ局に代表されるメディアの代理戦争であり、それによって有権者は敵対心を煽られ、政治家もそんなメディアに依存している現実だ。これが過度に進めば、政治家を堕落させ、必要な政策論争はますますなくなり、口からでまかせの争いに終始するようになる。共和党も民主党も、そういう政治状況を作ることに加担している。明らかにアメリカの退化である。

 トランプ陣営を支える代表格はFOXニュースだ。おかしいくらいトランプ氏に忠誠を誓い、徹底的に支える。その180度裏側の戦場に立つのは、民主党に忠実なCNNとMSNBCである。どんな問題であってもバイデン-ハリス陣営が正しく、トランプ-ペンス陣営はこの世の諸悪の根源なのである。民主党の議員たちも同じように言う。

 党大会の中継が始まる前に、FOXは民主党の“悪行”を念入りに報じていた。ポートランドで起きたデモ隊の暴動を取り上げ、民主党のことを「極端な左翼集団」で「無政府主義者」が牛耳っており、「革命を狙っている」党であると断言した。さらに、民主党に政権を渡せば、移民をどんどん増やし、外国人に国を明け渡すことになるのだという。

 それはまあいつもの光景と言えなくもないが、民主党大会を直撃する破壊力抜群の爆弾も用意していた。同局でも最も人気の高いアンカーマンで、反民主党、反バイデンの急先鋒であるショーン・ハニティ氏の情報として、バイデン氏が脳神経の手術を3回受けたことがあると報じたのである。事実であれば、これまで疑惑視されていたバイデン氏の病気説が思いがけず確認された形になる。番組では、仮にバイデン氏が大統領になっても早期退任することになる、という説まで出た。これは、痴呆症が取り沙汰されるバイデン氏にとって、手痛い話題になることは確実だろう。

 一方、CNNとMSNBCは、トランプ氏はアメリカ史上最悪の大統領で、再選されればアメリカは滅びると論じた。筆者の感想だが、確かにFOXやトランプ支持者の話よりは、民主党大会で演説する民主党員のほうが安心感はある。憲法が保障する人権、すべての国民が社会的に正しく扱われる鉄則、自由、平等、博愛の精神、幸せの追求などを強調する。個人的には、党大会初日の最大のスターはオバマ夫人だった。生真面目に、易しい言葉で民主主義の鉄則を述べ、聴衆・視聴者の共感を得られたのではないか。FOXの爆弾情報は見どころがあったが、オバマ夫人の演説を「アメリカを社会主義化する動き」と評するのは、やや勇み足だったのではないか。

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン