ライフ

セラピー性の高い楽器ウクレレ、孤独が癒えウキウキできる

落合洋司さん。ウクレレは大きさや音色の違いで4種類に分かれる。初心者は「ソプラノ」(右)か「コンサート」(左)が使いやすいという

 初めてでもすぐ弾けて、何といっても明るく軽やかな音色が魅力のウクレレ。現在87才の高木ブーさんもウクレレ奏者として知られ、高齢者の習い事としても人気だが、オンライン教室で初挑戦する人も増えているという。

 また、音楽を聴いて楽しむだけでなく、演奏することで心が癒され前向きになれると、音楽セラピーとしても注目される。認知症をはじめとする高齢者ケアにも、ウクレレを生かすべく活動する日本音楽医療福祉協会理事長の落合洋司さんに聞いた。

 * * *

演奏はコミュニケーション。言葉不要で孤独が癒える

「ウクレレでもギターでも、楽器を操り、音を聴きながらひとつの旋律を奏でようと集中すると、気持ちが落ち着いて前向きになれるのです」と、落合さんは言う。

 学生時代は野球に没頭。社会人になってからギターの魅力に出合い、国際新堀芸術学院で学びギター講師に。最終的には同校を運営する新堀ギターアカデミー社長を務めた。さらには、心身を癒す音楽の力を見出し、医療やケアにも生かすべく日本音楽医療福祉協会を立ち上げたという。

「ウクレレをみんなで演奏するときは、自然とほかの人の音をよく聴いて、合わせて弾こうとします。これはまさにコミュニケーション。言葉を使わなくても心の交流が生まれるのです」

 楽器を演奏しているときは、脳が活性化し達成感や自己肯定感が増すことが多くの研究でわかっている。

 さらに心のコミュニケーションが生まれることに気づいたのは、落合さんがフリースクールで不登校の子供たちにウクレレを教えている経験から。学校へ行かず、ウクレレ教室には来る彼らは、黙々と、しかし居心地よさそうにウクレレを弾くという。

「僕も社会人になったばかりの頃、同じような悩みを抱えていました。僕が出合ったのはギターでしたが、弾いていると、ギターと会話しているようで孤独が癒された。他人に理解してもらえないモヤモヤが整理されて、ほっと安心できる感じでした」

 高齢者、特に認知症がある人は言葉がうまく出せず伝えることが苦手になる。そのことはなかなか理解されないため、不登校の子供たち同様、孤独になりがちだ。

 そんな発想から、高齢者向けをはじめとするウクレレ教室を開催したり、病院や高齢者施設の職員向けにも講座を開いたりしているという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン