それに対して、官邸内には「総理が食べているのは消化に良い流動食のようなもの。仕出しでも、のり弁でもない」という否定的な意見もあり、海苔の塊が吐血と間違って伝わったのか、あるいは首相側近サイドが吐血情報を隠すための情報操作として“のり弁説”を流した可能性もある。

 ともかく、首相の吐瀉物の具体的な内容まで割り出そうとする情報収集合戦のすさまじさを物語っている。

 そこに今回の日帰り検診だ。情報戦は否応にも盛り上がる。首相は6月13日に慶応病院予防医療センターで人間ドックを受診したばかり。しかも、センター長の高石官均・慶応大学医学部教授は潰瘍性大腸炎や大腸癌の専門家として知られ、首相の医療チームの中心メンバーでもある。

 病院関係者は今回の検査を「6月の追加検診」(読売報道)と説明しているが、前回の検診からこれまでの2か月間に、病状の変化が起きたから新たな検査が必要になったと見るのが自然だろう。

“追加検査は、首相の主治医の1人が、癌を疑って再検査を強く主張して行なわれた”との情報もある。

 日帰り検診後に公務に復帰した安倍首相の症状について、党内で流れた最新の情報は、“下痢が止まらないのに無理して出てきている。潰瘍性大腸炎の悪化で退陣した13年前の第1次安倍政権のとき(*注)に似てきた”というものだ。

【*注/2007年8月、インドネシアなどアジア3か国歴訪後に安倍首相の持病の潰瘍性大腸炎が悪化、内閣改造を行なったものの、9月の臨時国会で「職責を全うする」と演説した2日後に突然、退陣を表明した】

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