パラアスリートを扱ったドキュメンタリーも、健常者と同じく、障害はアスリートたちに立ちはだかるさまざまな壁のひとつとして描かれるようになってきた。
義足のランナーを扱ったマンガ『新しい足で駆け抜けろ。』(みどりわたる作、『ビッグコミックスピリッツ』に連載中)でも、主人公は過度に悲観したり、自暴自棄になったりせず、わりと淡々と競技にのめり込んでいく。そこがなかなかリアルなのだ。
パラリンピック東京大会に陸上100mと走り幅跳びで出場を狙う義足ランナーの小須田潤太選手(29)もこう言う。
「ぼく個人としては『障害があるのにこんなことができるんだ!』という見られ方でいいと思っています。障害があるのは事実ですから、そういう見方をされることはプラスにとらえている。障害がなければ、いろんな人との出会いもなかったし、陸上というこんなに打ち込めるものにも出会えなかったでしょう。だからぼくは、自分の障害は武器だと思っているんです」
道具の視点からスポーツを観る
今後、パラスポーツのすそ野が広がるかどうかは、他のスポーツと同じように「やって楽しい」「観て楽しい」と思えるかどうかにかかっていると言えるだろう。