6月17日に通常国会が幕を閉じて以降、閉会中審査は7月末まで原則週1回、衆参両院で約3時間ずつ開催されてきた。8月上旬には野党が求めた臨時国会の早期召集を政府与党が拒否し、8月後半から週1回の頻度で新型コロナ対策を議論するための閉会中審査を開催することが決まった。閉会中審査では国会が閉会中でも継続して審議すべき議題がある場合に特定の委員会を開いて審議することができる。ただし、通常の委員会と違って議決はない。
8月に入って初めての閉会中審査となったのが、冒頭で紹介した19日の衆院厚生労働委員会だった。
この日、3番手に質問に立った立憲民主党の小川淳也議員が抑揚のある大きな声で与党批判を始めると会場の空気が若干引き締まった。だが最も盛り上がったのは、橋本副大臣と自見英子・政務官の不倫報道。その追及に橋本副大臣が小声で「週刊誌の記事の個別の事案についてはご回答いたしかねます」と答えると場内で静かな笑いが起こった。記者も傍聴席にチラホラいたが、質疑を漫然と眺めるだけだった。
驚くことに議員は「代返」も認められている。
「厚労委員会に出席の義務はありません。どうしても出席できない場合は、厚労委員会に関係のない議員を代理に立てられます。途中入退室についても規定はなく、個別の先生の事情にお任せしています」(衆院の厚労委員会事務局)
この日の委員会にも安倍晋三・首相の姿はなかった。