芸能

長寿番組『笑点』、“小遊三の下ネタ率”から分かる番組の変化

三遊亭小遊三(後列右から2人目)の下ネタ率は17年前と比べて倍増していた(時事通信フォト)

 1966年開始の『笑点』(日本テレビ系)は、今年で55年目に突入した。現在も続く番組の中では『NHKのど自慢』(NHK)、『題名のない音楽会』(テレビ朝日系、途中8ヶ月間休止あり)、『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)に次いで4位の長寿番組になる。主な理由として、「時間帯の変更なし」「家族3世代で視聴可能」「メンバーの明確なキャラクター付け」などが挙げられている。

 一方で、マンネリとも批判される番組はどうして人気を保てているのか。笑点研究家で、ライターの岡野誠氏が『三遊亭小遊三の下ネタ』を詳細に分析しながら、“目に見えない変化”を考察する。

 * * *
 一時よりも、三遊亭小遊三の下ネタが増加し、存在感も強くなっているのではないか──。今年の『笑点』を見ていて、こんな考えが頭に浮かんだ。

『笑点』メンバーで、司会者に1番近い位置に陣取る小遊三には、主に『下ネタ』『イケメン・キザ』『泥棒』という3つのキャラクターがある。毎週のように、これらの個性を押し出しているイメージがあるが、実際にはどのネタを最も答えているのだろうか。

 今年1月5日から8月23日まで『笑点』の大喜利は26回放送され(※)、小遊三は128回答、1オンエア平均4.92(小数点3位以下を四捨五入)となっている。

【※8月23日『24時間テレビ』内の『チャリティー笑点』では通常の大喜利(座布団運びに佐々木希)、『24時間テレビ』パーソナリティー(V6井ノ原快彦、NEWS増田貴久、Kis-My-Ft2北山宏光、ジャニーズWEST重岡大毅、King&Prince岸優太)との対抗大喜利と2度あった】

『デジタル大辞泉』(小学館)によれば、下ネタは「性や排泄に関する話題」という意味で、“しも”は下半身の意だという。この定義を元に『下ネタ』に当てはまるかを総合的に判断しながら、3つの回答数を調べると、以下のようになった(※パーセンテージは小数点2位以下を四捨五入。以下同)。

【1位】下ネタ:51回(39.8%)
【2位】イケメン・キザ:13回(10.2%)
【3位】泥棒:11回(8.6%)

 主要3つのキャラネタが58.6%に上り、実に下ネタは全体の約4割を占めた。今年、小遊三が下ネタを言わなかったのは4週だけ。最も多かった週は4回(1月12日、5月3日)、最も高い確率の週は75%(4回答中3つ。5月10日、7月26日)にも及ぶ。5月24日から6月7日にかけては、5連発したこともあった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン