芸能

下條アトム 「好きになれる」ことが僕にとって一番の才能

下條アトムのキャリアは50年以上に及ぶ

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、北野映画に親子二代にわたって出演できた思い出や役者としてのキャリアが50年以上になったことについて語った言葉をお届けする。

 * * *
 下條アトムは二〇一五年、北野武監督の映画『龍三と七人の子分たち』に出演、他のベテラン俳優たちが善役を演じる中、下っ端の悪役で存在感を発揮している。

「親父(下條正巳)が北野監督の映画に出ていて、その時に物凄く喜んでいたんです。二代に亘ってお仕事できるのは嬉しいので、親父の墓前に報告に行きました。そのくらい嬉しかった。

 役柄としては、ホンに書かれていないことで『これやってよ』とか監督に言われて随分と増えたんです。真夏の名古屋でバスを追いかけて走ったりとか、そういう僕がバカなことをやっているのを楽しんでくれたのかもしれませんね。その場の空気を大事にされる方で、アドリブに近い。台本はもちろん読んでいきますが、現場でいきなり『こうやって』と言われますから。監督も、ああいう役は好きだったんでしょうね。最後に殴られるところも、台本には全くなかったんです」

 近年では役の大小、作品の規模、ギャランティを問わずに作品に出るようにしているという。

「下條アトムというと、こういう役だよな──というありきたりな定番じゃなくて、全く違うところから僕を見てくれる人たちがいます。それに僕は応えたい。オファーがあればギャラは二の次で出させてもらってます。

 なんだか分からないオファーでも、なんだか分からないから面白い。前は嫌でしたよ。たとえば『大手じゃなきゃ嫌』とか。普通の人間ですからね。なんでこんな人がこんな売れてるんだろうとか、ジェラシーこいたり。助演男優賞をとりたいと思っていた頃もありました。そういう、非常につまらない、情けない哀れなところで一丁前に悩みましたよ。

 それが、今では『なんだか分からないから刺激があって面白い』と思うようになったんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

「講書始の儀」に初出席された悠仁さま(時事通信フォト)
《講書始の儀》悠仁さまが“綺麗な45度の一礼” 「紀子さまの憂慮もあって細かな準備があった」と皇室記者、新年祝賀の儀での秋篠宮さまの所作へのネット投稿も影響か
週刊ポスト
デビットベッカムと妻・ヴィクトリア(時事通信フォト)
〈ベッカム家が抱える“嫁姑問題”の現在〉長男の妻・ニコラがインスタから“ベッカム夫妻”の写真を全削除!「連絡は弁護士を通して」通達も
NEWSポストセブン
ニューヨーク市警に所属する新米女性警官が、会員制ポルノサイトにて、過激なランジェリーを身にまとった姿を投稿していたことが発覚した(Facebookより)
〈尻の割れ目に赤いTバックが…〉新米NY女性警官、“過激SNS”発覚の中身は?「完全に一線を超えている」
NEWSポストセブン
厳しい選挙が予想される現職大臣も(石原宏高・環境相/時事通信フォト)
《総選挙シミュレーション》公明票の動向がカギを握る首都決戦 現職大臣2人に落選危機、高市支持派アピールの丸川珠代氏は「夫とアベック復活」狙う
週刊ポスト
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したと報じられた坂口杏里さんだが…
《3年ぶり2度目のスピード離婚》坂口杏里さんの「ふっくら近影」に心配の声…「膝が痛くて…でもメンタルは安定してます」本人が明かした「59歳会社員との破局の背景」
NEWSポストセブン
笑いだけでなく「ふーん」「ええ!」「あー」といった声が人為的に追加される(イメージ)
《視聴者からクレームも》テレビ番組で多用される「声入れ」 若手スタッフに広がる危機感「時代遅れ」「視聴者をだましている感じがする」
NEWSポストセブン
新春恒例の「歌会始の儀」に出席された愛子さま(2026年1月14日、写真/時事通信フォト)
《ラオスご訪問を歌に》愛子さま、テーマ「明」に相応しいピンクのドレスで雅子さまとリンクコーデ 色やパールでフェミニンさとフォーマル感を演出
NEWSポストセブン
北海道日高町で店の壁の内側から遺体が見つかった事件。逮捕された松倉俊彦容疑者(49)、被害者の工藤日菜野さん。(左・店舗のSNSより、右・知人提供)
「なんか臭くない?」「生ゴミを捨ててないからだよ」死体遺棄のバーで“明らかな異変”…松倉俊彦容疑者が見せた“不可解な動き”とは【日高・女性看護師死体遺棄】
NEWSポストセブン
カンボジア内務省は1月7日、米当局が“アジア最大の犯罪組織のひとつ”とする企業「プリンス・グループ」のチェン・ジー会長を逮捕したと発表した(時事通信=AFP)
「問題がある者を叩け。ただし殺すな」拷問に人身売買、ロマンス詐欺も… “アジア最大の在カンボジア犯罪組織”トップの中国人が「都内15億超えの高級マンション」に拠点
NEWSポストセブン
元旦に結婚を発表した長澤まさみ
《長澤まさみが過去のSNS全削除と長期休養への背景》長澤まさみ、主演映画の撮影を1年延ばして選んだ電撃婚 『SHOGUN』監督夫と“帯同同伴カナダ計画”
NEWSポストセブン
北海道日高町で店の壁の内側から20代の工藤日菜野さんの遺体が見つかり、松倉俊彦容疑者(49)が逮捕された(左・知人提供)
《日高・バーの壁に死体遺棄》「誰が見ても親密そうだった」「2人してよく酒を遅くまで飲んでいた」松倉俊彦容疑者(49)と“21歳年下”被害女性の関係とは
NEWSポストセブン
大分市立中学校の校内で生徒が暴行を受けている動画が、SNS上で拡散された(Xより)
《いじめ動画の保護者説明会“録音データ”を入手》「『先生に言ったら倍返しになるから言わないで』と…」子供の不安を涙ながらに訴える保護者の悲痛な声【大分市】
NEWSポストセブン