「まさおに対する悲しみを整理できたんです。なんで死んじゃったんだよ、急すぎない? 寿命の半分だぜお前…というモヤモヤした思い、自分に対する怒り、悲しみや寂しさがはっきりしたんです。これが話す効果・書く効果。気持ちの整理がつくのです」
また、ペットを看取る心配を前もってしても仕方ないと松本さんは言う。
「犬であれば10~15年で亡くなるのが一般的。自分より先に逝ってしまうことが多い。そのときのショックを和らげようといろいろな情報を入手して覚悟や準備をする人がいますが、あまり役に立たないように思います。頭では理解しても、現実の喪失感は予見できないからです。
将来起こる出来事に万全の準備なんてできないし、準備や覚悟で心をどうこうできる関係ではないと思うのです。過大な不安を抱くことなく、いまを楽しむ。生きている間にいっぱい愛をあげて、自分も受け取る。
よく『うちのコは幸せでしたか?』という質問を受けますが、その問いができるママやパパに育てられたコは間違いなく幸せだと思うのです」
以下に、松本さんが自身の経験により学んだ「ペットロスにならない5つの考え方」と「ペットロスにならない3つの行動」を紹介する。これを参考にすれば、ペットの命と向き合うこともできるだろう。
●ペットロスにならない 5つの考え方
・覚悟しても仕方ない
・ペットが死んだぐらいで落ち込んじゃいけないと思わない
・理解できない人とは価値観を合わせない
・ペットロスは一生引きずっていい
・いない現実と悲しみを認める
●ペットロスにならない 3つの行動
・生きているかのように思い出を語る
・なくなったペットに手紙を書く
・リードやバンダナはとっておき、たまにニオイを嗅ぐ
【プロフィール】
松本秀樹さん/タレント・ドッグトレーナー。愛玩動物救命士、愛玩動物飼養管理士1級、小動物飼養販売管理士など犬に関する資格を多く持つ。今年1月、YouTubeチャンネル『松本秀樹のいぬTuber』を開設。
※女性セブン2020年9月17日号