とくに注目されているひとりが、今回が朝ドラ初出演にあたるロックバンド・RADWIMPSのボーカリスト・野田洋次郎。野田は、「酒は涙か溜息か」などを手がけた昭和を代表する作曲家・古賀政男をモデルとした木枯正人役を演じている。劇中には弾き語りするシーンもあり、さらにRADWIMPSが音楽を手がけた大ヒット映画『君の名は。』を彷彿させる「君の名前は?」というセリフも話題になった。普段はロックバンドで活動する野田が昭和歌謡を弾き語る貴重さがファンを喜ばせているようだ。

 とはいえ、現時点で『エール』で描かれているのは、まだ主人公が作曲家として若手の時代だ。劇中で古山夫妻がさらに深く音楽業界に関わっていくにつれて、また新たな音楽家と、その楽曲が次々登場することだろう。

 木俣氏は、他にも『エール』の見どころを挙げる。

「モデルの古関夫妻の史実と、創作部分の違いも話題のひとつ。どこが史実でどこが創作かを照らし合わせるマニアックな見方をする人もいます。放送再開後、時代は戦争へと進みます。自由に音楽を楽しめない状況下、音楽をこよなく愛する人々がどうなっていくか話題は尽きないでしょう」(木俣氏)

 もしかすると、“自由に音楽を楽しめない状況下”という意味では、コロナ禍の現在も通じるものがあるかもしれない。配信などで新しいライブの在り方を模索してはいるものの、多くのライブハウスが閉店に追い込まれ、音楽業界は未だ厳しい状況が続いている。そんな時代の中で、『エール』が人々に“音楽の力”を改めて感じさせてくれることに期待したい。

●取材・文/原田イチボ(HEW)

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン