発祥の地として有力とされているのが「韓国」だ。中村氏が続ける。
「一説によると、韓国のテレビ番組で『eスポーツ』という言葉が使われ、徐々に英語圏でネットスラング化したというのが始まりだそうです。私はこの説を支持しています。
当時、韓国ではネットカフェの普及とともに対戦型のPCゲームが大流行し、大会の様子がテレビ番組で放映されるほどの人気を博していました。真剣勝負を繰り広げる選手たちを見て、熱くなった人たちが『これはまるでスポーツじゃないか。eスポーツとでも名付けよう!』となったのだとしても不思議ではありません」
ちなみに、新しい文化ゆえに「eSports」「e-sports」など表記揺れの問題が国内外問わず起きている。そこで海外では2017年にAP通信が発行する文法や表記についてのガイドブック『APスタイルブック』に普通名詞「esports」を収録することで統一を図っている。日本国内では「eスポーツ」という表記が用いられることが多いようだ。
◆取材・文/すいのこ(プロゲーマー)
【プロフィール】すいのこ/1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。本名・桑元康平。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2019年5月より、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド株式会社のスポンサードを受け「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動開始。近著に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』。