ライフ

事故物件 事件現場となった部屋以外は告知しないケースも

不動産屋は事故物件に対する告知義務があるはずだが…(イメージ)

不動産屋は事故物件に対する告知義務があるはずだが…(イメージ)

 映画『事故物件 恐い間取り』の大ヒットもあり、注目を集めている「事故物件」。事件・事故の現場となった家やマンションは「薄気味悪い」と敬遠されることが多いものの、相場より安く入居できるメリットもある。不動産業者も空き家になるのを防ぐべく、あの手この手で売り出しており、中にはあえて「訳あり物件」を選ぶ猛者もいるという。

 そもそも「事故物件」とはどのようなものを指すのか。訳あり物件を専門に取り扱うアウトレット不動産の昆佑賢代表が言う。

「事故物件とは、何らかの理由で売買や賃貸借が困難になった物件の総称です。事故物件は大きく2種類に分けられる。近隣からの騒音・異臭があったり、廃棄物処理施設が近くに存在するような『環境瑕疵』がある物件と、過去に殺人事件や自殺があったなど『心理的瑕疵』がある物件です。

 ただし『心理的瑕疵』の範囲は民法で明確に定められているわけではなく、最近は老人が自宅で孤独死した場合なども事故物件に含むケースが増えている」

 近年は事故物件の「可視化」が進んでいる。事故物件公示サイトの登場で、誰でも簡単に物件の“前歴”が調べられるようになったからだ。

 事故物件公示サイトの代表格である「大島てる」を検索すると、地図上に「平成〇年〇月〇日刺殺」「平成〇年〇月〇日飛び降り自殺」などと表示され、近隣の事故物件が一目で分かるようになっている。サイトを運営する大島てる氏はこう解説する。

「不動産の仲介業者が入居希望者に『心理的瑕疵あり物件』である説明を怠っていた場合、宅地建物取引業法上の告知義務違反に該当します。しかし、中にはそのことを伏せて賃料を下げずに仲介する業者もいる。事故物件サイトはその抑止力になっています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン