定番競技「玉入れ」もガラリと生まれ変わった。
前述の神奈川県の小学校では、半径2メートルの円の中央にカゴを設置。円の外周をぐるりと囲んだ児童が1人1球を投げ入れる。全員が見守る中で1人ずつ順番が回ってくるため、児童たちは緊張した面持ちで“一球勝負”に挑んだという。
熊本県内の小学校では、「ダンシング玉入れ」なる競技が登場。玉入れ競技中に突如として音楽が鳴り響き、そのタイミングで児童らがカゴから離れ円になってダンスをはじめる。この一風変わった競技は、「密」になる時間を少しでも減らすことが狙い。玉入れとダンスが同時に撮影できると、保護者からは好評だったとか。
綱引きは「1メートル間隔」
集団でのダンスも従来通りとはいかない。「ソーラン節」を踊る学校では、お馴染みの「ヤーレンソーラン」「ハイハイ」「どっこいしょ」などの掛け声はすべて“口パク”に。しかしそれでは盛り上がりに欠けるということで、掛け声を記した大きなボードを児童らが掲げながら踊った。
「綱引き」も、これまでのやり方では“密”を避けられない。
神奈川県内の小学校で実践されたのが、「ソーシャルディスタンス綱引き」だ。それぞれが1メートル以上の間隔をあけて綱を握ったというが、それではクラス全員が一度に参加できないため、数回に分けて実施することになった。
従来種目を「コロナ仕様」にアレンジするだけではなく、新種目も登場した。
北海道のある小学校の「ナイスキャッチ」と名付けられた競技では、板の片側に受け皿があるシーソーのような装置をグラウンドに置く。2人1組になり、ペアの1人が受け皿にボールを置いて、反対側の板の端を踏みつけると、ボールは勢いよく空中へ飛び上がる。それを相棒がキャッチしてからゴールへ進み順位を競う。接触や密集を避けながらチームプレーを楽しめるため、騎馬戦や二人三脚の代わりとして考案された。