テレビ局ではこの秋、新番組を始めたり、番組の放送時間を変えたりするなどし、新たな編成で放送をスタートさせている。中でも注目を集めているのがテレビ朝日だ。テレ朝が行う異例の改編とその狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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10日、11日からテレビ朝日の思い切った番組編成がスタートします。
土曜はこれまで20時54分から22時10分まで放送されていた『サタデーステーション』を15分間短縮して21時55分に終了。21時55分から22時25分まで『あざとくて何が悪いの?』、22時25分から22時55分まで『ノブナカなんなん?』を放送します。
日曜はこれまで21時から22時54分まで放送されていた『日曜プライム』を終了。夕方に放送していた『サンデーステーション』を21時から21時55分に移動し、21時55分から22時25分まで『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』、22時25分から22時55分まで『テレビ千鳥』を放送します(11日は『ポツンと一軒家』が2時間SPのため『サンデーステーション』はなし)。
テレビ朝日は平日の21時54分から23時10分まで『報道ステーション』を放送していますが、土日の21時台に『サタデーステーション』『サンデーステーション』を放送することで“全曜日プライム放送”の形に変更。しかし、それ以上に驚かされたのは、土日の22時台に「30分番組のバラエティを2本並べる」という独自の戦略でした。
民放主要局でプライムタイムの30分番組は、『おしゃれイズム』(日本テレビ系)くらいしかないにも関わらず、あえて2本並べるという異例の戦略には、どんな狙いがあるのでしょうか。
『マツコ会議』『有吉反省会』からの誘客
テレビ朝日のプライムタイムは、『報道ステーション』や、『相棒』『科捜研の女』などのドラマに加えて、バラエティも購買意欲の劣る中高年層視聴者の多い番組が大半を占めているため、「世帯視聴率の数値ほど広告収入を得られていない」という状況が続いています。
さらに今春、視聴率調査がリニューアルして視聴者層の詳細や視聴人数がわかるようになったことで、各局が広告収入を得るべく一斉にターゲットの若返りを実施。しかし、テレビ朝日だけはこれまでの経緯もあるからか、その姿勢を明確に示すことなく現在まで推移していました。