優先上位に位置付けられている人たち

 報告書では、優先順位について、つぎの3つのことを示している(分かりやすいように報告書の文章を一部改変)。

(1)新型コロナ患者やその疑いのある患者に直接医療を提供する医療従事者等(患者の搬送に携わる救急隊員、積極的な疫学調査等に携わる保健師等を含む)と、高齢者および基礎疾患を有する人を接種順位の上位に位置づけ。※具体的な範囲等については、今後検討

(2)高齢者施設や障がい者施設等で従事する人の接種順位について、業務やワクチンの特性等を踏まえて検討。

(3)さらに、妊婦の接種順位について、国内外の科学的知見等を踏まえて検討。

(1)で、患者に対応する医師などの医療従事者が上位に位置づけられているのは当然といえるだろう。また、感染、発症した場合、重症化の恐れが大きいと考えられる高齢者や基礎疾患を有する人も上位に位置づけられており、重症者が多数出た場合の医療資源の逼迫を防ごうとする意図がみられる。

(2)で、高齢者施設等で従事する人の順位について、業務やワクチンの特性等を踏まえて検討する点も理解できるだろう。施設で従事する人から高齢者等への感染を、防ぐ狙いがあるからだ。(3)の妊婦については、胎児への影響もあるため科学的知見等を踏まえて検討していくことが求められよう。

 なお、基礎疾患がなく医療従事者等でもない、高齢者以外の成人・若年者については、この報告書では特に触れられていない。

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