国内

コロナワクチン 「成人への投与」は一律に後回しでいいのか

ロシアは世界初の新型コロナワクチンを承認(AFP=時事通信フォト)

ロシアは世界初の新型コロナワクチンを承認(AFP=時事通信フォト)

 新型コロナのワクチン開発が進み、世界中で期待が高まっている。日本では、政府が複数の医薬品メーカーと全国民分の供給量を受けることで合意済みだ。ただ、実際に供給が始まっても、一度にすべてが用意できるとは限らない。そこで、ワクチン接種の優先順位について、ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が考察する。

 * * *
 新型コロナはなかなか終息のめどが立たない。重症化して死亡する人の数が増えるなど、多くの国で感染拡大が進んでいる。アメリカ、インド、ブラジルをはじめ、ロシアや南米諸国でも感染者数が増加している。ヨーロッパでは感染再拡大により、再び外出制限などの措置がとられている。

 感染拡大や重症化を防止するためには、ワクチンの投与がカギとなる。春先から世界中の医薬品メーカーでワクチンの開発が進み、多くのワクチン候補が臨床試験の段階に入っている。いずれ、有効性と安全性が確認されたワクチンが承認されて、予防策として用いられるものとみられる。

 日本では、全国民分に相当する2億4000万回分超の供給を受けられるよう、政府が医薬品メーカーと合意しており、流通や接種体制などの整備が進められている。ただ、実際に供給が始まっても、いきなり全員分が用意できるとは限らない。そこで、どういう順番でワクチン接種を行うかという「優先順位」の問題が出てくる。

 新型コロナウイルス感染症対策分科会は、この問題について議論を進めてきた。その内容を受けて、政府は9月25日に中間とりまとめの報告書を公表している。まず、その内容をみてみよう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト