国内

ドラッグストアで「マスクくれ」と居座る客 模範的対応は?

「無いものを売れ」とごねる要求過大型クレーマーには要注意(イラスト/尾代ゆうこ)

「コロナ禍の影響で、客が急に怒り出す、ストレス発散型クレームが増えています」とはクレーム・コンサルタントの谷厚志さん。クレームとは本来、客が被った不利益や損害に対する正当な要求だ。しかし昨今増えているクレーマーは、文句やわがままを言うこと自体が目的になっているのが特徴だ。

「私が担当しているクレーム件数だけでも、この10年で約10倍に増えています。増加の原因は価値観の多様化にあり、現代はまさに“ウィズクレーマー社会”といえます」(谷さん)

 クレーマーをうまくあしらう方法はないものか? ドラッグストアで働くスタッフのケースを例に、その対処法を谷さんに聞いた。

 * * *
 コロナ禍でマスクが品薄だったときは、心身ともに疲れ果てました。私たちですら入荷予定がわからない状態だったので、早朝から店に並んでマスクを要求するお客さまにも、「品切れで入荷は未定です」と、お断りするのもひと苦労。なかには、「そう言うあんたはマスクをしているじゃないか、それを売れよ!」と怒鳴り、店員に詰め寄る客もいました。暴言だけならまだしも、

「マスクが手に入るまで帰らない」

 と店内に居座る客まで出る始末。そこでスタッフ一同、対策を考えました。開店前に行列しているお客さまに、

「本日マスクの入荷はありませんが、ハンカチで代用できるので、よかったら参考にしてください」

 と、手作りマスクの作り方を図解したコピーを配ったのです。店員もハンカチで作ったマスクをつけて店に立ちました。これが効果てきめん。

「仕方ないわね。じゃあ私も作ってみようかしら」

 と納得して帰ってくれました。「ないものはない」と、はっきり伝えることも大切だと実感した出来事でした。

専門家の解説「できること、できないことを明確にするのが大切」

 日本クレーム対応協会代表理事の谷厚志が、対処法を教えてくれた。

「例え“おつりの渡し方が気に入らない”というのは、次もその店を利用したい気持ちが前提にあるクレームです。それに対して“ないものを売れ”とゴネるのは要求過大型の迷惑クレーム。それにどこまで対応するかの線引きが大事で、“これ以上対応できません”と毅然とした態度で応じることこそ、店側の基本姿勢です。このケースは、その上で代案を示した模範例ですね」

【プロフィール】谷厚志/日本クレーム対応協会代表理事。怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタントとして活動中。

取材・文/村瀬真紀

※女性セブン2020年10月29日号

関連記事

トピックス

虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
亡くなったアンナ・ケプラーさん(TikTokより)
巨大クルーズ船で米・チアリーダー(18)が“謎の死”「首を絞められたような2つのアザ」「FBIが捜査状況を明かさず…」《元恋人が証言した“事件の予兆”》
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
決定戦で横綱を下した安青錦(写真/JMPA)
【最速大関・安青錦の素顔】ウクライナを離れて3年、なぜ強くなれたのか? 来日に尽力した恩人は「日本人的でシャイなところがあって、真面目で相撲が大好き」、周囲へ感謝を忘れない心構え
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
主演映画『TOKYOタクシー』が公開中の木村拓哉
《映画『TOKYOタクシー』も話題》“キムタク”という矜持とともにさらなる高みを目指して歩み続ける木村拓哉が見せた“進化する大人”の姿
女性セブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト
CM露出ランキングで初の1位に輝いた今田美桜(時事通信フォト)
《企業の資料を読み込んで現場に…》今田美桜が綾瀬はるかを抑えて2025年「CM露出タレントランキング」1位に輝いた理由
NEWSポストセブン
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン