「指導歴2年での1軍監督就任は、やや早い気もします。本当はあと1、2年経験を積ませたかったかもしれない。しかし、物事には全てタイミングがある。大洋の平松政次氏、阪神の掛布雅之氏、ヤクルトの宮本慎也氏などのように、生え抜きで人気があってもいまだに監督になれない野球人もいる。三浦氏には、運もあるということでしょう」

 今年、就任した投手出身の広島・佐々岡真司監督、ヤクルト・高津臣吾監督は現在、下位に低迷している。セ・リーグでは2003年の阪神・星野仙一監督以来、投手出身で優勝した指揮官が出ていない。

「それを言い出せば、横浜の前回優勝時は投手出身の権藤博監督でしたし、巨人の藤田元司監督が優勝した頃は投手出身が持て囃され時代もあった。個々の能力の問題だと思います。今の選手はラミレス監督の奇抜な采配に疑問を感じていた面もあるでしょう。三浦大輔が1軍の監督になって、オーソドックスな采配をするだけで新鮮に感じるという利点も考えられる」

 今季のイースタンリーグで三浦2軍監督は、首位・楽天に2.0ゲーム差の2位に付けている(記録は10月24日現在。以下同)。盗塁63、盗塁企図数100、犠打数56はいずれもリーグ1位。16人が盗塁を試み、15盗塁の宮本秀明を筆頭に14人が盗塁を成功させており、チーム全体に走る意識が浸透している。

 それに比べ、1軍は盗塁26、犠打43で共にリーグ最下位。盗塁企図数は38しかなく、そのうち梶谷隆幸21、神里和毅8を数えている。チーム全体で6 人しか盗塁を試みていない。阪神・近本光司が1人で盗塁24、企図数31をしていることを考えれば、寂しい数字である。

「三浦2軍監督は、機動力で掻き回す野球を展開している。足やバントをあまり使わないラミレス監督とは一味違う野球が見られるのではないでしょうか。また、ラミレス監督はコーチ陣の意見にあまり耳をかさず、独断で物事を進め過ぎた。昨年1軍コーチとして、風通しの悪さを経験したことも、三浦監督は反面教師にするでしょう。あとは現役時代、一緒にプレーした選手に対して、どこまで非情になれるか。大きなポイントです」

 生え抜き監督の誕生となれば、2003~2004年の山下大輔監督以来。人気絶大のハマの番長は来季、横浜に23年ぶりの歓喜をもたらせるか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン