国内

Go To恩恵の「ぐるなび」会長 文化功労者のタイミングが話題

功労者

公共事業費からの芸術文化への支出も提言する滝会長

 脚本家の橋田寿賀子氏ら5人が文化勲章に選ばれると同時に、漫才の西川きよし氏、作曲家として知られる三枝成彰氏ら20人が選ばれた本年度の文化功労者。その20人のなかに、「パブリックアート」というあまり聞き慣れない分野で滝久雄氏という名前が連なる。飲食店情報サイト大手「ぐるなび」の創業者で取締役会長と言ったほうが通りはいいだろうか。

「滝会長はかねて文化支援への関心が強い。駅や空港、公共施設などの公共空間に彫刻などの芸術作品を設置するパブリックアートの普及を推進し、さらに公共事業費の1%を芸術文化に支出することを義務づける『1%フォー・アート』制度を呼びかけるなどの活動が評価されたようです」(全国紙経済部記者)

 経営者が文化功労者に選ばれた例は、過去にも詩人・辻井喬として受賞したセゾングループ代表の堤清二氏などがいて、珍しいケースではない。滝氏の選定が関係者の間で話題になっている理由は、そのタイミングにある。

「滝氏が会長を務める『ぐるなび』は、菅義偉首相が官房長官時代だった頃から官邸肝煎りで準備が進められてきた『Go To イート』キャンペーンのオンライン飲食予約事業者です。滝氏と菅首相は昵懇の関係として知られていて、『週刊文春』(9月17日発売号)では、滝氏が会長を務める広告代理店から菅氏の政治団体に献金があったことから、両者の関係がGo To イート事業への採択に影響を与えた可能性について指摘されていました。ただし、菅氏、ぐるなびとも影響は否定しています」(同前)

 折しもGo Toイートが始まった10月1日から14日までの間で、ぐるなびのネット予約が前年同期比2.5倍に増えたと報じられたばかり。コロナ禍で苦境にあえぐ外食産業が潤っているとすれば今回の政策は狙い通りと言えるが、「潤っているのはグルメサイトだけ」(SankeiBiz、10月29日付)という報道もある中で、“Go Toイートで税金の恩恵を受けたあとは文化功労者までもらえるのか”という声が上がってもおかしくない。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン