国内

持続化給付金詐取 逮捕に怯える人を狙う勢力も出現している

持続化給付金の不正受給をめぐりツイッター上の書き込みに対して警告する中小企業庁の公式アカウント(時事通信フォト)

持続化給付金の不正受給をめぐりツイッター上の書き込みに対して警告する中小企業庁の公式アカウント(時事通信フォト)

 嘘をついてお金をとってはいけない、とくにそれが公金ならなおさら、というのは子供でも理解していることで、誰もがうなずく「正しいこと」だろう。ところが、持続化給付金については、なぜか自営業でもフリーランスでもないのに、嘘の確定申告をして給付を受ける人が続出し、人々を困惑させている。給付金を受け取ったものの、それを返還したいがうまくいかない40代派遣社員男性の事情について、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
「持続化給付金詐欺」に関わったとして検挙される人々が、全国で相次いでいる。名の知れた大学の野球部員から現役の暴力団員まで、実に様々な人々が詐欺を働いていたという事実に驚くしかない。先日、こうした人々の「軽さ」について書いたのだが、記事を見たという数名の男女から、SNSや知人を通じてコンタクトがあった。全員が「持続化給付金詐欺」に関与しており、平たく言えば「逮捕されない為には何をすべきか」という、虫の良い相談が飛んでくるばかり。正直うんざりしていたが、一人気になる人物がいた。

「詐欺だなんて全く思いません、友達もみんなやったんです。みんな……いや、周囲の5人、最終的にやったのは僕と……もう1人。これは被害ですよ」

 都内のファミリーレストランに現れたのは、南関東在住の派遣社員・中間光助さん(仮名・40代)。彼と会うことを決めたのは、彼は確かに犯罪に手を染めていたものの、また新たな「詐欺」に巻き込まれている可能性が高く、確認を取りたかったためである。

 その前に、中間さんがいかにして詐欺を働くに至ったか、その背景を説明したい。

 とある派遣会社に所属し、日中は大手運送会社の物流倉庫で働いている中間さん。時給は1100円、休憩時間の1時間を除けば一日7時間の労働で日給7700円、週5日勤務で、月に15万円強の収入を得ている。四十男として心許ない収入額であることは本人も承知をしており、日々、ネット上で見つけた「ビジネス」や儲け話に乗っかってみては、大した収入も得られないだけでなく、出費ばかりがかさんでゆくという悪循環に陥っていた。

 しかし、金への執着は人一倍あるようで、マルチまがい商法やねずみ講、情報商材売買など「儲かる」と聞けばすぐに飛びついたようだが、なぜか本職の仕事はいつもおざなりだった。ファミレスでは、着席したものの一向にメニューを見ようともせず、筆者が「ご馳走する」というまでオーダーをしなかったことからも、何かを察するしかなかった。

関連記事

トピックス

自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
暑くなる前に行くバイクでツーリングは爽快なのだが(写真提供/イメージマート)
《猛暑の影響》旧車會が「ナイツー」するように 住民から出る不満「夜、寝てるとブンブン聞こえてくる」「エンジンかけっぱなしで眠れない」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン