ビジネス

マツタケの聖地 40日間の営業日に客が殺到し万札が飛び交う

年に40日間しか営業しない「まつたけ村」を運営する金光浩二社長

年に40日間しか営業しない「まつたけ村」を運営する金光浩二社長

 秋の味覚、マツタケ。今年7月には、IUCN(国際自然保護連合)が絶滅の恐れがある野生生物を記載した「レッドリスト」にも指定され、日本国内の生産量は近年減少の一途をたどっている。

 そんな国産マツタケを日本全国から集荷し販売する専門店「まつたけ村」。広島県世羅郡世羅町の国道沿いに立つ、知る人ぞ知るマツタケの聖地だ。営業するのは年に40日間だけ。生産者から直接買い付け、広島空港から自社の軽トラで配送する。中間業者を挟まないので産地偽装の恐れがなく品質が保証されている。最盛期は1日100箱以上が届く。

「最盛期は毎日約1トン、数千本のマツタケを仕入れています。直売所の規模としては、日本最大級でしょうね」

 金光浩二社長は胸を張る。閑散とした片田舎にもかかわらず、取材日は開店前から40人ほどの行列ができ、近畿や四国など、遠方からも客足が絶えない。朝5時起きで島根から来たという40代男性が言う。

「マツタケを食べると『ああ秋が来たな』という気分になりますね。今日は9万1000円分買いましたが、仕事の取引先に配るつもりです」

 店舗の裏口には、広島空港から自社トラックが毎日直行する。

「前日に岩手で採れたマツタケがその日のうちに東北道で羽田に運ばれ、翌日には広島空港に届きます。鮮度が命ですから」(金光社長)

 コロナの影響で貨物便が減少し、従来より数時間の遅れが出ているという。発泡スチロールのフタを開けるとぎっしりとマツタケが詰まっており、山の恵みの芳香がむせ返るほど漂う。

「京都丹波産がブランドとして有名ですが、長野産も有名で全国のマツタケ生産量の6~7割を占めます。ただ、長野は今年は降水量が少なく不作気味で、梅雨の長雨に恵まれた岩手が豊作。京都や広島でも採れますが、生産量はわずかです」(同前)

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン