母の死も想像する今冬のシミュレーション
外出自粛で認知症が悪化してしまう……と頭を抱えていたときには、コロナ感染後のことなど想像もしていなかった。巷には、家族がまさかの感染で入院したまま最期まで会えなかったとか、肺炎症状が苦しいらしいとか、不穏な情報が飛び交っていたが、どこか他人事だった。
それがサ高住の職員さんと具体的に話した途端、母の死のイメージがリアルに迫って胸が詰まった。母も85才。コロナでなくても天寿が尽きる日はそう遠くないかもしれないのだ。
正直なところ、母の葬儀のことは時々考える。ひとりっ子の使命でもあるし、8年前に父の葬儀を経験して「母のときはこうしよう」と、妙に前向きに考えることさえある。
生き切る瞬間までが母の人生だ。できるだけ苦痛や不安はない方がいい。昨年は母の帯状疱疹にギョッとして大慌てで救急車沙汰にしてしまったが、この冬、混乱と迷いは禁物。そう思い直し、私と母が住む自治体の“新型コロナ相談窓口”の電話番号をスマホに入れた。
※女性セブン2020年11月19日号