「キツネ狩り」の一例としては、米ニュージャージー州在住の反体制派の男性が工作員から脅迫、監視、強要されたケースが報告されている。工作員は2017年、男性の高齢の父親をアメリカに連れて来て、男性を脅して中国への帰国を迫った。また、私立探偵を雇って、男性の娘を尾行したり脅迫状を送ったりなどして、男性の帰国を促すように迫ったという。
前出のレイ長官もRFAに対して、「工作員はターゲットに2つの選択肢を迫る。『すぐに中国に戻るか』、あるいは『自殺するか』だ。ターゲットが中国に戻ることを拒否すると、米国と中国の家族が脅かされ、中国にいる家族は人質として、逮捕され、刑務所に送り込まれる」と中国工作員の実情を明かしている。そのうえで、長官は、「中国の工作員が私たちの国に来て違法な作戦を実行し、アメリカにいる人々を意のままにできると思っているのは、とんでもない間違いだ」と述べている。